すこしふしぎなきみのポケット ~藤子不二雄/藤子・F・不二雄「ドラえもん」



みんながきっとそうだったように、小さな頃はドラえもんが大好きだった。
多分初めて連れていってもらった映画は、「のび太とアニマルプラネット」だった。
「宇宙小戦争」「鉄人兵団」「のび太の恐竜」なんかは家にビデオテープがあって、セリフを覚えるほど繰り返し観ていた。
もちろん、毎週金曜のテレビ放送も欠かさず観ていた。10分ぐらい前から弟とテレビの前に座って。

小学校の高学年~中学校あたりから、「ドラえもん離れ」が始まった。
今までは素直に楽しんで観ていたのを、斜めからものごとを見るようになったのだ。
例えば、ママはのび太に対して厳しすぎるんじゃないか。
学校の廊下に立たせるのは体罰だ。
ジャイアンはあんなに理不尽ないじめっ子なのに、どうして劇場版でだけいいやつなのか。
ドラえもんが未来からやってきたのは、結局のび太のためになっていない。
などなど、お約束にツッコミを入れて楽しむようになっていった。
あわせて、テレビアニメも観なくなった。
その時の私にとって、ドラえもんは「いつか卒業するもの」だったのだ。

ふたたびドラえもんのことが気になりだしたのは、いつごろだっただろうか。
こどもだましに思えていた、ドラえもんのあのフォルムが、急にいとおしいものに見えてきた。
同時に、一度は卒業したと思っていたあれらの物語たちが、どんなにすごいものだったかに気づいた。


全巻読んだわけじゃないし、一冊もコミックスが手元にない状態で今これを書いているが、実質の最終回と言われている、てんとう虫コミックス第6巻、ラストの回をありありと思い出すことができる。


ドラえもんが、急に未来に帰らなくてはいけなくなった。
頼りないのび太が心配で、帰りたがらないドラえもん。
ドラえもんを安心して未来に送り出すために、のび太は自分だけの力でジャイアンにケンカを挑む――。

ほんの10ページほどで、こんなに胸がいっぱいになる漫画をどうして描けるんだろう。
ジャイアンにボコボコにされながらも、とうとう最後までギブアップしなかったのび太を、ドラえもんは家まで連れ帰ってやる。
「ぼく、やったよ。自分の力でジャイアンに勝ったんだ」のび太の言葉を、黙ってうなずきながら聞いてやるドラえもん。
幸せそうな顔で眠るのび太の寝顔を、微笑みながら見ているドラえもん。
でも、その目からは、何故だか涙があふれて止まらないのだ…。

目が覚めると、ドラえもんはもういない。
でも、のび太は泣いたりしない。
大事なことが何なのか、ちゃんと全部わかっているから。




…結局、読者からのラブコールに応え、ドラえもんが未来から戻ってくる形で連載は再開するのだけれど。
藤子先生の他界により、未完で終わったドラえもんの完結編は、すでに6巻で描かれていたのだ。


…ホントに泣く。マジ泣きする。
この最終回を描いたというだけで、藤子先生を無条件で尊敬する。

もちろん、この話だけじゃなくて、他にも泣ける話、あったかい話、サスペンスチックな話、考えさせられる話や、ただただバカバカしいだけの話もある。
今思うと、本当にバラエティに富んでいたよなと感心する。


現在の、リニューアルしたドラえもんのアニメは、ちゃんと観たことがない。
それはもう私にとってのドラえもんではないからだ。
リアルタイムのちびっ子たちにとっては、今のドラえもんこそがドラえもんになる。
幼い頃に観たアニメ体験は、相当に根強い。

ドラえもんのことを思うとき、藤子先生と同じ国に生まれてよかった、と何だかつくづく思ってしまうのだ。


ところで、なかなか上手く描けないのが、ドラちゃんの似顔絵。
大筋は似てるんだけど何かがちがう。
本物を見ながら描いても、ちょっと生意気そうなドラえもんになってしまう。
本家のあの、トボケたやさしい感じはなかなか出せない。

*記憶のみを頼りに書いているので、勝手に話を捏造している部分があったらすみません…。


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ドラえもん 面白画像 おもしろい 
Excerpt: ドラえもんの面白画像などについてのブログです。少しづつ紹介していきます。
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Tracked: 2006-12-28 02:06