
今出ているコミックスの中では、文庫を除いて一番新しい。といっても、4年ほど前に出たものだ。
6つの短編が収録されている。
新刊…というか新作、待ちくたびれちゃったよ…
表題作は、中学生の親友どうしのボーイズラブ風味なお話。
…を、望月花梨が描くとこんなふうになるんだね。
主人公が親友を好きになるまでのページがすごく短いので、説得力に欠けるのが残念。
だけど、ブラジャーのホックと詰め襟のホックが重なって見えて、というシーンでは、「さーすがー!」と感動すらした。
作者さんは、これがやりたくてこの話を描いたのでは?と勘ぐってしまうほどに。
それから、やっぱり扉絵(バスの絵)が素晴らしい。
同時収録の「呼吸」には、初期の作品によく出てきた、潔癖で純粋で一匹狼な少女が出てくる。
「嫌いな人の前では息を止める」というの、ちょっと覚えがある。
同級生が実際にやってたのも覚えてる。
子どもとは残酷な生き物であることよ。
「犬と夏服」は、好きな子の制服を盗んじゃったり、盗まれちゃったりする話。
好きな人を独占したいという気持ちは、誰にでもある。
それが歪んだ形で表に出てしまうことも、時にはある。
…いやぁ、望月先生は人の心の忘れようとしてる部分をビシビシ突いておいでになる。
(好きな子のものを盗んだことはないけど)
どうして、思う通りに生きられないんでしょうね。
実は、望月花梨は、私が初めてファンレターを出した作家さんである(書いたのはさくらももこが初めてだけど、結局出さなかった)。
常々、「望月花梨とCoccoって合うよなー」と思っていた時に、コミックスの作者コメントに「Coccoが一番好き」とあったので、うれしくなって思わず書いたのだった。
明くる年にイラスト入りの年賀状をもらって、たいそう喜んだのを覚えている。巳年だった。
そして、今のところ、二度目のファンレターはまだ誰にも出していない。
この記事へのコメント
yuuuming
望月花梨は大好きな漫画家のひとりで、なのに認知度は低くて…
このブログで紹介されてるのを見て、うおぉ~わかってらっしゃる、三森さん!!と思い、コメントしちゃいました!(望月作品には色気がある、との分析、激しく同意です!!)
本屋でもたまにチェックしますが、新刊出ないですね。一ファンとして悲しいです。。。望月先生の漫画ってファッションもすごくかわいいですよね。私は『笑えない理由』と『鍵』が好きです♪
三森紘子
はじめまして、コメントありがとうございます!
わ~い、望月花梨のお話をできる方はほんとに数少ないので、コメントいただけてとってもうれしいです^^
「色気がある」にも同意してくださってありがとうございます(笑)でもそうですよね!よかった私だけじゃなくて(笑)
新刊、出ないですよねー。コミックスになっていない短編が何作かあったと思うのですが(私も全部チェックはできてません)、まだ一冊にまとめられるほどの分量ではないんでしょうか。何か少しでも情報があればいいのになあ…。
そうそう、ファッションがかわいいんですよね。ちょっとレトロな雰囲気もあって、大好きです。
『笑えない理由』、私も好きです^^ああいう明るさも魅力の一つですよね☆うっかり名前を失念してしまいましたが、瑛士を好きな先輩の女の子が特に好きでした。
嬉しくてついお返事が長くなってしまいました…
ありがとうございました。yuuumingさんのブログにもまたお邪魔させていただきますね!