跳躍そして飛翔 ~原作・金城一紀/作画・秋重学「SPEED」全4巻

スピード
完結したので感想を書く。
4巻を本屋で見つけて買って、カバンの中に宝物のようにしまって家に帰った。
佳奈子の泣き顔の表紙で始まった1巻は、笑顔の4巻表紙で締めくくり。



主人公は、ごく普通の優等生、岡本佳奈子。
大好きな家庭教師の彩子さんがある日突然自殺してしまう。
悲しみながらも、彼女の死の真相を確かめようとする佳奈子。
知らぬ内に、彼女の大学を渦巻く陰謀の核心へと迫ってしまい、黒幕・中川の差し金で暴漢に襲われそうになっているところに、停学中の高校生、「ゾンビーズ」の面々と出会う。
彼らに後押しされながら新しい世界へ足を踏み出していく佳奈子の、初めての冒険の物語。


金城一紀の原作小説を読んだのがずいぶん前なので、はっきりとは言えないのだが、秋重学の取捨選択の能力は優れているんじゃないかと思う。
原作の何を描くか、何を描かないか、というバランスの取り方が、私の好みに合っているんだろうな。
原作つき漫画にどうしてもありがちな「明らかに端折ってるだろ!」って感じがないのがいい。

話の流れとしては、「レボリューションNo.3」の後日談というか、ヒロシの死の直後という設定だ。
ヒロシを知らない佳奈子に対してヒロシのことが語られるので、「レボ~」を知っている読者にはもちろん、知らなくても彼らが何を失い、何を思ったかというのが伝わってきて切ない。


私がこの漫画版ですごく好きなのが南方くんだ。
何だろう…なぜかわからないけど好き。
小説を読んだときはぼんやりしていた南方像が、漫画の造形で初めてくっきりと浮かび上がってきた気がする。
スンシンのように特別強くもなく、アギーのようにフェロモン出まくりでもない、フラットな感じがよいのかなぁ。
でも、ゾンビーズの中ではリーダー的存在。
帽子をかぶっている時が可愛い。あ、顔か?顔なのか?


佳奈子も好き。佳奈子は女から見ても可愛い。
同時に、自分自身で闘おうと決めた時の佳奈子の顔は、りりしくてかっこいい。それにしても、4巻の表紙の佳奈子は可愛いなぁ。
本当に可愛い。見れば見るほど可愛い。


同シリーズの「フライ・ダディ・フライ」も大好きだけど、同じ女の子としてやっぱり本作品を支持したい(あ、もう女の子なんて呼べる歳じゃないか…)。
アギーとの掛け合いなんかも、女の子の主人公ならではという感じだったし。


いつか、ゾンビーズ達と佳奈子との再会を見てみたい。
きっとその時も、彼らは新しい冒険を始めるだろうから。


この記事へのコメント

  • 赤魚

    こんにちは☆お久しぶりです!

    SPEED、完結だったんですね!
    ちょっと気になっていた漫画だったので読んでみようと思います!
    私は原作を知らないのですが、それでも面白く読めそうな感じっぽくて嬉しいです☆
    2007年04月07日 00:16
  • 三森紘子

    赤魚さんへ

    わぁ、赤魚さんお久しぶりです!
    ブログの更新再開されたようで嬉しいです☆

    原作知らなくても全然大丈夫です!ぜひぜひ。
    もしお気に召されたら、「レボリューションNo.3」と「フライ・ダディ・フライ」も読まれるといいと思います。キャラの顔がだいぶ変わってて面白いかもしれません(笑)。

    コメントありがとうございました☆
    2007年04月07日 00:37

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