俺たちは奇跡を起こすんだ ~伊坂幸太郎「チルドレン」

チルドレン

文庫版を購入しました。
表紙はハードカバー版と同じ絵。
このそこはかとなくユルいステキな絵が、他の伊坂作品の装丁とは一味違って、好き。
おそらく左端の男が陣内、右端が盲目の青年永瀬で、中央が盲導犬のベスだろう。


5つのお話の中心人物は陣内という男で、「ザ・伊坂小説」を体現したような人物である。
存在自体が騒がしく、口は達者だが言うことがコロコロ変わり(前言撤回が多すぎる)、ギターと歌が滅法巧い。
周りに迷惑をかけまくるけど、何だかとっても恰好イイ(本人曰く、「生まれてこの方ダサかったことなんて一度もない」)。


伊坂さんはこういうキャラクターが好きなんだろうなぁ。
確かに陣内はものすごく魅力的な人物だ。
でも私は、むしろ鴨居くんや武藤さん(奇人の傍の普通人)の方が好きだ。
「バンク」のラストで、鴨居くんが「ビルの影を飛び越そうと、助走をつけてジャンプ」するところが好き。


この人の小説って、どこか現実離れしていて、軽快で、だけど薄っぺらいわけじゃなくて、この世の悲哀や皮肉もまじえつつ、でも生きてるといいことあるよね、という気持ちになる。
本を読んでそういう気持ちになるのって、改めて考えてみると、それもひとつの奇跡なんじゃないかなぁと思う。


伊坂小説の感想はもう何度も書いているので、あんまり書くことがなくなってきた…
ちょっとだけ幸せになりたいとき、これからも伊坂小説を開こうと思います。


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック