佐藤友哉「灰色のダイエットコカコーラ」を読んだ。

灰色

背後に写ってるのは実家の天井です。仰向けに寝転がって撮りました(深い意味はない)。


灰色のダイエットコカコーラ…とっても不味そうだ…。
でも、内容とぴったりマッチしたタイトルだと思う。


中盤あたりは、「ファウスト」という雑誌に掲載されていたのを読んだので内容を知っていたけど、それでも、通して読むのは結構しんどかった。


主人公に共感できる人、読者の中でどれくらいいるんだろう?
何者かになりたいのに何者にもなれない、という根っこの部分の欝屈はわからなくもないけど、主人公や主人公の祖父の言動に共感する人がたくさんいるとしたら、ちょっとかなり本気で恐ろしいです。


それは、私がこの作品に繰り返し出てくる「肉のカタマリ」の筆頭だからなんだと思う。
主人公が蔑み嫌悪し、主人公の祖父が統治し蹂躙する、ごく普通の人生を享受する弱くて愚かな「肉のカタマリ」。


私がもしこの小説に登場したら、最初のほうで祖父にあっさりと両断されちゃっているでしょう。
普通が一番。
平凡でささやかな幸せが一番。
そんな小市民なので、主人公に全く共感できない。


正真正銘の覇王である祖父ぐらい突き抜けてしまうと、これはこれでアリかとも思えるけど、主人公はすべてが中途半端なんだもの。
「俺は他とは違う。俺はすごいところに行く」と言うたびに、どこまでも上滑りしていく彼の言葉。
そしてそのことを、彼自身もよくわかっているのだ。


だから、このラストはものすごくハッピーエンドだったと思う。
だって、クライマックスシーンはあんなに感動的だった。
素晴らしくグロテスクで感動的だった。
でも、人によっては、感じ方が違うかもしれないなぁ。


灰色から、赤色・黒色を経て、やがて虹色へ。
それは、主人公が思い描いていたような虹色ではないけれど。



前半はつらかったけど、最後まで読んで、やっぱりこの人すごいな、なんだかんだいって読み続けてしまうなぁ、と思った。
それと、ものすごく話題が遅いですが、結婚おめでとう、ユヤタン!(←ちょっと可愛すぎる愛称な気もする)


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