ラストダンスをいつまでも ~原作・脚本/古沢良太 ノベライズ/相田冬二「キサラギ」

0809

「追加発注しましょうよ~、来たら私買いますから~」と文庫担当さんを脅迫(?)して店に入れてもらった、映画「キサラギ」のノベライズ版。
表紙の絵は原作の方が描いてらっしゃいます。似てる! 絵も上手いなんてすごいなぁ。
冒頭には映画のシーンの口絵がたくさん載っているので、映画を観てない人でもこのキャストを頭に描きながら読むことができるでしょう。


これはすごくいいノベライズだと思う。
脚本の台詞とト書きを単に文章に起こしているだけじゃない。
ライターの相田さんが作品をいったん自分の中に取り込んで、自分の物語として新しく書いている。
特に前半部分。
オリジナリティがあって、この人じゃないと書けない「キサラギ」で、とても好感を持つし嬉しい気持ちになる。
後半の、畳みかけるように真相が浮かびあがってくる部分も良かった。


安男役の塚地さんの、「おまねき」を「おねまき」と言ってしまって自分の頬をたたくネタも、さりげなく入っていてうれしかった。
そのあと地の文(家元の一人称)で「確かにパジャマが似合いそうな人だ」と続くのも、姿が容易にイメージできて笑ってしまった。


話の筋はほぼ映画版と同じだけれど、ラストだけは小説版オリジナルの結末となっている。
これ、最初はよく意味がわからなくて、感想書いてるサイトさんを検索したりして、教えてgooにたどりついてやっとわかった。
単に私がある部分を読み飛ばしていただけでした…。
なるほどなぁ、それもアリかも…。
私は映画版ラストの方が好きかなー。映画の家元さんが好きだったから。
でも、小説版ラストもこれはこれで面白いし、何よりノベライズ本としてはとてもレベルが高いと思うので、読んで本当によかった。
発注してもらって良かった。


映画を観たときにも思ったことだけれど、たとえ対象がアイドルでも、はたから見てキモかったとしても、誰かを何かを好きだという情熱を持つのは、何よりも素晴らしいことだよなぁ。
みんなのそういうパワーが世界を平和にしてくれたらいいのに。
私も、好きなものを好きだと思う情熱をいつまでも忘れずにいたいです。周りを気にして恥じても何もいいことないしな。


映画の感想はこちら


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