スタートライン ~秋重学「學ビノ國」全4巻

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コンプリートまで、長かった…!
古本屋での遭遇率0%、そうこうしている内に続々と出版社在庫切れになっていくし、泡くって取り寄せたりオンライン古書店のお世話になったりして、ようやく揃えることができました。今月末はほんとうにいい月末だ。
こんなことなら数年前、近所の本屋で見かけたときに買っておけばよかった。あの頃はまだ普通に本屋に並んでいたんだよな。


原作つきの漫画を描かれることの多い秋重さんですが、この「學ビノ國」はオリジナル作ということで、どうなんだろうかとちょっとドキドキしながら読みました。
結論から言うと、とっても面白かった!!
考えてみれば、原作者が誰であろうと、秋重漫画にはすべて共通する秋重テイストが貫かれているのだもの、な~んも心配することはなかったよ。
この人にしかない色というのが、しっかり存在してる証拠です。


この漫画は、ケガでバスケを断念し、スポーツ特待生として入学した高校を中退した水樹蓮司が、トレーナーを目指すため、大検合格に向けて奮闘するお話です。
通い始めた大検予備校で水樹は、様々な事情により大検取得を目指す人々と知り合いになる。
バイトしながら睡眠時間を削って勉学に励む、小野寺杏もその中の一人。


秋重漫画の女の子って、な~~んでこんなにカワイイんだろう!?(毎回コレ言ってる気がする…)
杏ちゃんも、十代特有のピチピチ感(具体的にいうとツルンとしたおでことか、プリプリした二の腕の付け根のお肉のつき具合とか、そのへん)がもう本当にカワイイ。もちろん彼女のカワイさは外見だけではないけれど。
もうちょっと自覚持って自分の身を守らなきゃいけないと思う。一部の汚い大人に同情なんてしちゃだめだよ!


水樹も、最初はチャラ男臭をぷんぷんさせていたけど、脱臼治すところなんて最高にカッコよかった。
故障のせいでバスケの道をあきらめざるをえなくなって、心ない人のせいでイヤな思いをしたり、クサってしまったりしたけど、でも最終的に水樹は周りの人間にとても恵まれていたと思う。
弟の入試のエピソードや(弟くんがなんだか好きだ)、「青春というのはいつ始まり、いつ終わるんだろうねえ。」という迫田さんの言葉、最後には黙って送り出してくれたお父さんの優しさ、トレーナーを目指す直接のきっかけになった吉岡トレーナーの言葉、その言葉を伝えてくれた高校時代の友人、応援してくれたプータロ時代の友人たち、予備校の仲間達…
そしてもちろん、周りがどんなによくしてくれても水樹自身ががんばらなきゃ何も始まらないわけで、そこをがんばった水樹は正真正銘、カッコいい奴だ。


ラストシーンは不覚にも涙・涙でした。
4巻という決して長くはない巻数のなかで、彼らがどれだけ努力してきたかをしっかり描いてくれているので、感情移入もハンパない。
大学入学というスタートラインに立ち、手をつないでそれぞれの夢を歩み始めた水樹と杏ちゃんのご両人に、惜しみないエールを送りたいと思います。なんか結婚式のスピーチみたいになってきたぞ。


結局ストーリーにあまり絡まないまま消えてしまった小林さんのようなかわいそうなキャラもいるにはいますが、素晴らしいラストだったのではないでしょうか。
土田が消えたことについては全く未練はないけどね。そういう役どころなんだとわかってはいてもハラが立ってしょうがなかった。禍根を残さずすっぱり消えてくれたのでよかったです。


二転三転、読者を転がす術に長けていて、最後までハラハラしどおしだった。
秋重漫画の中でも、一、二を争う好きさです。もっとたくさんの人に読んでほしいので、ぜひとも新装版が出てほしい。
最近の金城一紀原作シリーズもものすんごく良かったけど、そろそろオリジナル新作も描いてほしいなぁ。
やっぱり秋重学好きだよ~。引き続き注目していきたい!


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