「ヤサシイワタシ」と私 2

けっこうネタバレ


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「ガンバってるのにナゼスゴイと言わないのよって
ゆーでしょ あの人」


新城さんのビジュアルは、何だか絶妙だなぁと思う。
すごい二枚目! って感じではないけど、ある種の女性がハマる気持ちはよくわかるというか。
そういう魅力的な出で立ちをしていらっしゃる。
(でもヤエにとっては、結局は「新城さんスラ代わりだった」わけなんだけど)


「らんぼう者だった」新城さんを想像するのはなかなかに難しい。
それはやっぱり「この目で見ていない」のが原因だと思う。
普通なら回想シーンが一コマでも挿入されるのがよくある漫画的表現なのだけど、それが一切ない。
ヤエや弓為、そして新城さん自身の口から語られる事実のみが、読者にとって、ヒロタカにとって知ることのできる全てなのである。


たとえ断片的なものでも、絵でバンッと説明しちゃうほうが、わかりやすいしメリハリつくしドラマチックになるし、絶対効果的だと思う。
それをやってないというのは、やっぱり意図的に避けているんだなという気がする。
そうすることで、わかりやすさと引き換えに生まれるのは、あんまりなリアルさだ。


現実世界では心の声も聞こえないし、過去の出来事も覗き見できないので、会話したり、姿や様子を見たり、自分と照らし合わせたりと、与えられた情報をかき集めて、他人の気持ちを推し量る。
ヤサワタを読んでるときは、まさにそういうことをやりながら読んでるなぁと思った。
だから、きっと人によっていろんな解釈が生まれているだろう。


葬儀の日、「新城さんは来なかった」というヒロタカ(?)のモノローグを最後に、新城さんは物語から退場する。
彼がヤエの結末にどういう感情を抱いたのか、ついには語られないままに。
まるで、疎遠になってしまった、もしかしたらもう一生関わり合わないかもしれない、顔もおぼろげにしか思い出せないあの人やあの人のように。




その他、新城さんの台詞では、

「お前はまだなんにでもなれるつもりだろーけど
スタートおせえだけだぞ」

に、ぐっさーっ!ときました。
い、痛い…そしてキツイ…
でも反論できない現実。


この記事へのコメント

  • まりお

    言ってること、なんかすごい分かります!


    「あんまりなリアルさだ」ってとこはホントにおっしゃるとおりだな!とw

    リアルすぎるっつーーか、読者的には全然“ヤサシク”ない!!!w


    そういう本当に自分が描きたいことだけ描いてる的なとこが、そこがなんかアサさんらしいのかなって勝手にひぐちさんとヤエを重ねて思ってます。w


    あと確かにこの作品なんか名言っぽいの多いですよね!wしかもホントにグサーーッとくるよーなやつが(-_-;)

    それがなんか胸に残って離れないから、この作品のこと読み終わってもずっと考えちゃう一因なんだと思います。



    初コメですみません!!

    ひぐちさんの作品はホント誰かと語りたくなっちゃいますよね~w
    2010年02月02日 00:46
  • 三森紘子

    まりおさんへ

    はじめまして。いろんな記事にたくさんコメント、ありがとうございます!
    順番にお返事させていただきますね。

    「ヤサシイワタシ」は、いつまでたっても悩まされ続けている作品です。
    いまだに読み返すたび何かしら発見があるし、何度読んでもわからないままなところもありますし。
    おっしゃるように、すごく誰かと語りたくなるんですよね~。
    そういった思いもあって、記事を書いてるんだと思います。
    だから、こうやってコメントで反応していただけるのはすごくうれしいです!

    >リアルすぎるっつーーか、読者的には全然“ヤサシク”ない!!!w

    ほんと、そーですよね!(笑)やさしくな~い!
    なるほど、ひぐち先生にもヤエ的な部分があるのかな(笑)
    でも、次回作のおお振りではずいぶんやさしさが出てきてますよね(笑)
    2010年02月03日 21:36

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