おめでとう、小林真くん ~森絵都「カラフル」

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今日から師走! 早いっす。もう今年も終わりなんてめちゃめちゃ早いっす。
いつまでこたつと湯たんぽだけでいけるかなぁー。雪が降ったらさすがにもうだめだ。



森絵都の代表作とも呼ぶべきこの作品を今まで読んだことがなかった。
後輩くんが最近買って読んだというので、貸してもらいました。
彼と話すことでいつも若さを補給させていただいてるので、なんというかお姉さんは大助かりです。


一気読みだった! これは一気読みできてよかった。


死んでさまよっていた「ぼく」の魂の前に現れた天使が言う。「あなたは抽選に当たりました」
なんでも「ぼく」は生前大きなあやまちを犯して死んだらしい。普通そういう魂は輪廻のサイクルから外され、生まれ変わることができないのだが、抽選に当たったおかげで再挑戦のチャンスを得たのだという。
誰かの体を一定期間借りて過ごし、自分の犯した罪を思い出すことができれば、ふたたび生まれ変わることができると言われ、「ぼく」は自殺した中学生の少年・小林真の体を借りて現世へと戻る。
平凡であたたかいように見えた真の家族は、いろいろと問題があるようで。
真になった「ぼく」は、周りとうまくやっていけるのか? 自分の罪を思い出し、生まれ変わることができるのか?


軽い文体ですいすい読めるのだが、主人公はいきなり死んでるし、真もしょっぱなから自殺しちゃってるし、テーマは重めでちょっと気分が沈む。
でもだからこそ、後半の展開は感動的。
淀んで濁っていた色が、徐々にさあっと鮮やかな極彩色へ変わっていくよう。
なんてこと! この気持ち良さときたらどうよ!
タイトルの意味にも今さらながら気づきます。


「人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。」
そうなんだろうなぁ。
物ごとにはいろんな面があって、くまなく見ることができればどんなにいいかと思うけど、人間には限界がある。それでいいのかもしれないとも思う。
気づこうとして、注意したり考えたりすることこそが大事なんだろう。なかなかうまくできないけれど。


ラストがまたすっごくいい。
最高潮に盛り上がったところでプツッと終わる。
一番いいとこでエンドロールだから、そりゃもう観客はスタンディングオベーションですよ。うまいなぁ。森絵都はほんとに終わらせ方がうまいなぁ。


今は、唱子と一緒にこう言いたい気持ちでいっぱいです。
「おめでとう、小林真くん」と。


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