不器用な人びと ~オノ・ナツメ「Danza[ダンツァ]」

0202

12月に出ていたこの漫画の感想を書くのはものすごく今さら、という感がある。
発売直後に買わなかった自分が不思議だ。なんで今の今まで買わなかったんだろう。


オノさんの漫画は、ディフォルメされた頭身の小さい人間で描かれたものと、八頭身の人間で描かれたものとの2パターンがあって、「Danza」はディフォルメバージョンの漫画だ。
どちらの絵柄もそれぞれ好きだけど、どちらのバージョンで描くかによってその作品のカラーというものがある程度決まってしまうだろうから、オノさんがどういう基準でそれを決めているのか興味がある。
頭の中に浮かぶイメージで決めるのかな? それとも、「この作品はディフォルメバージョンでやろう」とか考えたりするのかな。


いずれにしても怖ろしくセンスの良い人だなぁと思う。
切り絵のようでも版画のようでもある雰囲気のカラー絵と、シンプルな線で構成された無駄のない、それでいて濃密な時間が込められた本編と。
好きだな好きだな。
この前オノ・ナツメを一気買いしてった男の人がいて(basso名義のBL作品も取りこぼしてなかったのでちょっとびっくりした)、勝手に親近感を抱いたりした。ハマるとハマっちゃうよなぁ、この人の漫画。


絵だけじゃなく、話も良くって。
めちゃくちゃ月並みな言い方だけど、じーんときた。
あまり器用じゃない人びとがおずおずと関係を築いていく過程は、微笑んでしまうとともに涙があふれそうになりますね。


息子への愛情をわかりやすい形で表せないピッポやマーティン、娘の夫(アメリカ人)にどう接したらいいかわからない日本のガンコなお父さんなど、年長者の皆さんがかわいらしくも愛おしい。
すれ違いやわかりあえないことはそりゃあるけど、関わり合いたいという気持ちひとつ持っているのといないのとでは大違いだ。
人びとが持っているそういう気持ちのことを思うとちょっと泣きそうになる。なんでだろ。


こういう漫画が青年誌に載っているというのがとてもいいなぁと思うのです。女性誌じゃないほうがいい。
最後に収録されている「パートナー」は、長期連載シリーズとして改めて始まるらしいのでうれしい。
ニューヨーク市警が舞台のバディもの。やべーすごいおもしろそー。楽しみ。


オノさんの描くイタリア男性はとても素敵ですが、日本女性も負けないほど素敵だと思う。
そんなわけで、アメリカ人ホルと結婚したさちこさんがお気に入りだ。かわいい。


この記事へのコメント

  • ぬま。

    返信ありがとうございました。
    他の作品の感想も楽しんで読ませていただいています。
    自分でこういうのもなんですが、こう・・選り好みが激しくてですね・・・
    ちょっとはまったものに出会うと次のものに手を出すのを躊躇してしまうんです。
    でも漫画も小説も読みたい~~!!って感じでw

    最近では三森さんの感想を頼らせていただいています(ハードルをあげてみる 笑
    最近ではひぐち先生の「ヤサシイワタシ」を購入しました^^
    なんとも読み応えのある本ですね!
    何回も読んで自分の中でかみ締めて考えてみたいと思います・・・。

    ずうずうしいながらもお勧めしたい(というか感想を見てみたい)漫画はこれです↓
    「不思議な少年」 山下和美
    今は1~5巻まで出ているんですがどれも読みきりで、一つの巻に2~4話ほど入ってます。
    一人の死ぬことの無い少年が・・・主人公?というか語り部になっていて、
    様々な、時代、国、を飛び回り「人間とは何か」というテーマを貪欲に描いている作品だと思います。
    漫画は何巻から読んでも関係ないと思います、ちなみにあたしは4巻から入りました。

    興味を持てたらでいいのでぜひ読んでみてください!!お勧めですよ!

    それでは、失礼します。
    2008年02月03日 16:12
  • 三森紘子

    ぬま。さんへ

    コメントありがとうございます☆
    た、頼りになって…いますでしょうか…?(ビクビク)……これからなるようにがんばります!(笑)

    ヤサシイワタシ買われたんですか!
    私もあれはこれからも何度も読み返すだろうと思います。いまだに読み取れていないものがたくさんあるような気がするんですよね…。

    「不思議な少年」は、タイトルは耳にしたことがありますが読んだことはありませんでした! ぬま。さんの紹介文だけですでに興味津々なので、ぜひ読んでみたいと思います!
    教えてくださって、ありがとうございました^^

    それでは♪
    2008年02月03日 23:53

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