突抜頂点 ~伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

0203

今から伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」を誉めちぎりたいと思うので、ご了承願います。


こんなに早く読むことができるとは思ってなかった!
「むっちゃ読みたいけどハードカバーだし買えない、図書館で予約はしたけど順番待ちが長そうでいつになるやら」と事あるごとにこぼしていましたら何と、とある機会にプレゼントしていただきまして!
ダイヤの指輪もらうよりうれしいぞー!(本心) なんという果報者なのか私は。
「私の本当に今一番欲しいものを」っていうその気持ちがまずうれしい。


図書館仕様のビニールコーティングがされていないハードカバーを手にするのはずいぶん久しぶりのことで。
しばらく撫でたりさすったり眺めたりした後、おもむろにページを開き…一日で読破した。


ブラヴォー! ハラショー! エクセレーント!
面白い! としか言えなくて困っちゃう!!


「『伊坂幸太郎的に娯楽小説に徹したらどうなるか』という発想から生まれた、直球勝負のエンターテイメント大作」と紹介文にはあるが、まさにザッツ・エンターテイメント!!
読者を楽しませることだけに力を注がれた、最高級に魅力的な長編小説です。


仙台パレードの途中に首相が暗殺されるという大事件。その罪の濡れ衣を着せられた青柳雅春という男が、得体の知れない大きな陰謀から逃げようとする。簡潔にいうとそんなお話。
構成からしてしびれる。
まず第一部「事件の始まり」で導入部分を書き、第二部「事件の視聴者」で事件をテレビで外側から観ている人たちが書かれる。
そのあといきなり第三部「事件から二十年後」に時間は飛び、ノンフィクションライターの視点から事件について語られる。
そして、第四部「事件」でとうとう、当事者青柳雅春の、長い長い二日間の逃亡が書かれる。
彼がどんな結末を迎えたかは、ぜひその目でお確かめを。
第五部「事件から三ヶ月後」でしめくくられるラストは、切なくもあるし嬉しくもあるし、感無量でもある。


決して珍しくはない、むしろありふれた筋書きのこの物語がどれだけ面白いか、どんな言葉で表現しても陳腐になってしまいそう。
伊坂小説の醍醐味として、「張り巡らされた伏線」というものが筆頭に挙げられるけれど、ここでもそれは健在で、ビシッバシッと決めてくれる。
そうやってパズルのピースのように事象が当てはまっていくのを見るのは、本当にキモチイイ。
当人にしかわからないそれらのことを読者にもわかるようにしてくれて、ニヤニヤする幸せをくれる伊坂先生の手腕にはひれふすしかありません。
素晴らしすぎます。好きすぎます。


ロックな岩崎さんかっこいい。青柳のお父さんかっこいい。森田いいやつ。
ううん、登場人物一人一人挙げてっても、エピソード一つ一つ挙げてっても足りない。


とにかく、面白かったんだーーー!!! ってことを叫びたい。そこかしこに叫びたい。


そんなわけで、大大大満足の節分の休日でした。
今年の恵方は南南東!


この記事へのコメント

  • みお

    三森さま

    怒涛の1月だったようで…お疲れ様でした(笑)これ…いつ三森さんの感想が聞けるんだろう?と待ってました!!(涙)もーねー…何でしょうか!?伊坂氏の小説は、表紙を開いた途端頭の中で映像化されるんですよ、私の中で。絵がね、浮かんで来るんです…そのくらい文章の力に圧倒されるんですけど…

    エピソード1個1個語って行ってもキリないですよね!三森さんの赤字で全て語られてる感じです(笑)うん、これしか言いようがない!!(笑)最後、家に届いたあの習字…(おっと、コレは禁句だよね:笑)本当に本当に「お見事!」の一言でした!!

    大好きだーーー!!伊坂幸太郎!!
    2008年02月04日 22:38
  • 三森紘子

    みおさんへ

    労いのお言葉ありがとうございます! 「やってみると案外やれちゃうぜ」的な一ヶ月でした(笑)

    そう、あの最後に届く習字…たまんないですよね。もらい泣きで泣き笑いです。
    人をこんな気持ちにさせやがって…ちくしょう、伊坂幸太郎なんて…大好きだ!!(笑)

    本当に「お見事!」な小説を書いてくれる作家さんですよね。すでに新作が待ち遠しいです。でも、しばらくはこれを読み返してはニヤニヤしようと思います!
    そして、みおさんも伊坂好きだとわかってうれしいです^^
    コメントありがとうございました☆
    2008年02月05日 20:44
  • ムジマ

    はじめまして。ムジマと申します。
    トラックバックを送らせていただきました。
    「ゴールデンスランバー」が本屋さん大賞に選ばれて、嬉しくってたまらない昨今、同じように喜んでいるだろうという人を見つけた!と思いながら、三森さんの感想を読みました。伊坂さん、本当に素晴らしいですよね!
    2008年04月11日 20:44
  • 三森紘子

    ムジマさんへ

    はじめまして、コメント&トラックバックありがとうございます!
    本当にうれしいですよね~、やったぁ!という気持ちと、当然だろ!という気持ちがないまぜになっております(笑)。こんなに面白い作品が無冠で終わるわけがなかった!と。
    このブログを見つけてくださったこともうれしいです! ムジマさんのところにもあとでお邪魔しに行きますね^^

    それでは☆
    2008年04月12日 15:40

この記事へのトラックバック

「ゴールデンスランバー」伊坂 幸太郎
Excerpt: 私の人生において、この人を超える作家は決して現れない。本気でそう思う。 好きすぎて感想が書けないくらいなのだが、それだと感動したことを忘れてしまいそうなので、何とか書こう。 本の帯にも書いてあるが..
Weblog: Re2:観たもの読んだもの
Tracked: 2008-04-11 20:44

「ゴールデンスランバー」映像にした面白そう
Excerpt: 「ゴールデンスランバー」★★★ 伊坂幸太郎著 書店で見かける平積みした本のポップ、 手書きで、その本のススメどころを 簡潔に書いていてつい見てしまうが、 「本屋大賞受賞」もあって この作家の本を..
Weblog: soramove
Tracked: 2008-06-04 19:36