目では見えない ~杉本亜未「ファンタジウム」2巻

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ちょっと大人っぽい良くんが表紙の第2巻です。


北條の尽力で、いやいやながらも中学校へ通うことになった良。
難読症の良は、通常学級の他に通級指導教室も通うことになる。
字が読めないためにテストは追試だらけ、でもペン・スピニング(ペン回しのこと)がべらぼうに上手い…と、思いっきりクラスで浮いてる良は、あからさまないじめの対象にされつつも、渡辺という友人もできる。
その頃、テレビでは「スピリットリーダー」と呼ばれるサカキシンという男が人気を博していた。
イベント等でマジックを披露していた良の元にある日、サカキシンとの共演でテレビ出演の依頼がやってくる…


本当に、見れば見るほど良くんはいいです。目がいい。目がいいなぁ。
「ナウなヤング」とか言い出したので笑った。誰に教わったのそんな言葉…。
同年代の男の子と楽しそうにしている姿はかわいいし、頭から水をぶっかけられても「正気でいられたらきっと俺は たぶんものすごく ものすごく強くなれるはずだ!」と思える時点でもうあなたは強いです。
それって「これだけは譲れない」というものがあって、その気持ちが毛程もブレたことがないからなんだろうなと思った。
五十嵐も業が深そうだ…


大きな挫折を経験せず、ひなたの道を歩いてきた北條さん。
けれどもそれは、知らず知らずのうちに楽な道を選んで生きてきたということでもある。
良に対する「俺はおまえみたいにはなれなかった」という思いは、心から信じる何かを目指す良のような生き方を羨む気持ちの裏返しなのだ。
だからこそ、良に懸ける思い、その生き方を曲げないでほしいという思いは強い。
でも良は、信じていても人は去っていくことを、短い人生経験の中で知ってしまっている。


目をつぶって1・2・3と数え、目を開ける。
そんなことをしても目の前の現実は変わらない、決して奇跡は起きないことをわかっていながらも願わずにはいられない痛みと。
目を開けると、そこに北條さんが立っていたときの嬉しさと。


…こんなシーンで2巻が終了なんてニクすぎる演出です。
名作だ。完結してないのに気が早いかもしれないけど、名作になると思うこれは。



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杉本さんの描く横顔は美しい。
後頭部の丸みも好みだなぁ~。


1巻の感想はこちら


ところで、作中で北條さんが運営している良のサイトは実在します↓
http://ryomagic.com/
デザインがすごくキレイ! かわいい良くんもいっぱい見られる素敵なサイトさんです。


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