オンリーワンはひとつではなく ~いくえみ綾「潔く柔く」1~6巻

0304

嗜好遍歴をおおざっぱに辿ってみるなら、りぼん系→ジャンプ・マガジン系→Asuka・Wings系→花ゆめ系→青年誌系という感じで漫画に親しんできた私は、マーガレット系少女漫画に弱い気がする。
弱いというのは苦手とか嫌いとかいう意味じゃなく、「このジャンルならまずこれを読め」と言われているような大御所作家さんの作品をあまり読んでないということです。


いくえみ綾も今回初めて読んだ。
前からこのタイトルが美しくて気になってたものの、貸してもらわなかったら読む機会なかったかもだなあ。
一期一会にありがとう。


ひとつづきの世界で主人公が入れ替わっていくという話の構成が、何っ回も言ってますが私は大っ好きで、「潔く柔く」がそういう話だったというそれだけでまず興奮しました。
それぞれの章は独立した話なのだけど、ちょっとずつバタフライ効果みたいに影響を与え合ってて、うわ~っていうかふあ~っていうか、とにかく大興奮だ。
(同じような構成だという噂をきいて、くらもちふさこの「駅から5分」も気になってます)


同一タイトルの少女漫画としては異例とも言えるほど登場人物がたくさん。
(一応描き分けはされているけれど)絵的にはそこまで個性的でもなく、似たような印象のキャラクターに見えるのだが、実は同じような人間は一人も出てきておらず、誰もがオンリーワンの魅力を放っている。
特に「主人公の友人」の立ち位置にいる人物たちがいろんなタイプで描かれていて、すごいと思った。
使い捨てされてない。細かい部分まで手を抜いてない。(というか、手を抜くような人だったらこんな構成のお話描けないだろうけど)


梶間がお気に入りです。登場するとうれしくなった。
なんか顔が好き。私服のセンスも好き。
キヨも好きだった。彼はナヨナヨしてるわけでも乙女でもないが、可愛さと男性的なかっこよさを見事に共存させているので素晴らしい。
女の子では三千花と、あと亜衣が好きかなぁ。
なっちは女に嫌われるタイプの子だけど、ちゃんとフォローが入れられてるのでいくえみ先生は優しいなぁと思った。


瀬戸さん、あたしは
何も言えないけど

ただ ただ

あたしたちは生きて、
進んでいくんだなあと
それだけ、本当に

思います。



一恵がカンナに宛てて書いた、送るあてのないメールが心に沁みる。
携帯電話のあの小さな画面って、ひとつの詩的世界であるよなぁというようなことを思いました。


とりあえず6巻の続きがすっっっごい気になる。
今月中に7巻が出るみたいなので、これはもうぜひとも発売日に早く来ていただいて、友人に早く買っていただいて、そして私に早く貸していただきたいものです。


この「潔く柔く」というタイトルはほんとにいいなぁ。
「かの人や月」とか、他作品のネーミングセンスもすごくいい。他のも読んでみようと思います。


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック