お会いしましょう ~穂村弘「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」

0412

天沼のひかりでこれを書いている きっとあなたはめをとじている



「いつか本棚に並べたいリスト」の中にずっとある穂村弘の歌集を、急にとてもとても読みたくなったので、図書館で取り寄せました。
いつかは自分のお金で買うつもりなのですが、いつになるのでしょう。そんな本ばかりがたくさんある。家が本屋だったらいいのに。いやむしろ、本屋が家だったらいいのに。


「このエロカワイイイラストは一体誰の手によるものなんだ!?」と、タカノ綾さんのお名前を知ったのもこの本でだった。
表紙のステキさも、本棚に並べたい理由のひとつ。
でもここに感想を書いたので、ブクログの本棚には並べることが叶います。うふふ。


巻き上げよ、この素晴らしきスパゲティ(キャバクラ嬢の休日風)を



これは、穂村氏の元へ591通もの手紙を送った(おそらくまだ増え続けてるんだろう)まみという女の子に対する、穂村氏からの手紙という体裁をとった短歌集である。
「手紙魔まみ」が実在するのかどうかはわからないし、架空の人物なのかもしれない。
でもそんなことはどうでもよかったりする。
ここに載っている歌はぜんぶ穂村氏の作なんだけど、主人公=穂村弘ではなく、主人公=まみなのである。
「穂村弘が手紙魔まみのフリをして詠んだ歌」なんである。
それが面白いなーと思う。


左から、宇宙スカート、プリンスカート、色盲検査スカート、まみ作

兎の眼を通じてまみのSEXが宇宙に実況中継される



これとかこれとかは、タカノ綾の世界にまんまシンクロしている。
まずタカノさんの世界ありきだったの? 歌が先だったの? まみはタカノさんが大好きらしいから、絵のほうが先かな。


未明テレホンカード抜き取ることさえも忘れるほどの絶望を見た

おやすみ、ほむほむ。LOVE(いままみの中にあるそういう優しいちからの全て)。



これとかこれとかは、ぜんぜん五七五七七になってないのに、口ずさんでみると不思議とリズムが心地よい歌。
ちなみに「ほむほむ」とは穂村氏のことです。「おやすみ、ほむほむ」の歌は一度読んだら覚えてしまった。


ピストルに胸を刺されて死んだのよ、ママン、水着の回転木馬

バービーかリカちゃんだろう鍵穴にあたまから突き刺さってるのは



かと思うと、これとかこれとかはばっちり五七五七七になっていて、それが気持ちよくって好き。
シュールですな…あたまから刺さってるから、顔が見えなくてどっちかわかんないってことか。


まだまだたくさん引用したいですが、そうなると感想より引用のほうの比重が大きくなってしまうのでやめておきます。
ポップでカワイイ歌たちに共通して感じられるのは、「日常的なものとなった絶望」である気がする。
それでも明るさを放っているのは、これらが誰かに宛てたメッセージだからなのかな。


夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック