頁のすべてを養分にして ~入江亜季「群青学舎」3巻

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入江亜季という人の描く漫画は、どうしてこう…


瑞々しくて凛々しくて、収穫期の農園のように豊かで、艶々していて。
女のひとは美しくて、男のひとはかっこよくて。
ほんの少しだけ切り取られた人生が、この上なく愛しく思われて。
それから、それから…うまく言葉が続きません。


ジルとパパとハロルド。春日くんと都さん。青子と万里雄。マコさんとブンタ先生。待宵姫とマミジロ。和美とふた葉と三津枝と依子。
時代も世界も文化も全く違うこれらの話たちが一貫性を持っているのは、ひとえに「入江亜季によって描かれた」という一点のみの為であって。
それって侵しがたい個性だよなぁと思う。


適度な厚みを持った、身体の描き方が好きだ。
衣服越しでも生身の肉体がそこにあると感じさせる、肩の線や腕の線。
強い光を放つ、眼の描き方も好きだ。
この世のすべてを見ようとする万里雄のまなざしと、万里雄を失った青子が泣きながらひたすら歩き続けるために前へ向ける視線。初めて世界に触れた待宵姫の瞳に映される景色。


さっき私はこの作品を農園にたとえてみたけど、農作物が土と水と光から養分を吸収するように、私自身もこの作品から養分をもらっている気がする。実りのための糧のようなものを。
その糧で花を咲かせ実をつけることができるかどうかは、私次第なんでしょうねえ…。


火遊び的に惹かれるのはマミジロ親分ですが(セックスアピール強すぎ!笑)、キュンとくるのは41歳のブンタ先生だったり、不器用なジルパパだったりします。
自分たちで植えた野菜の芽が出たのがうれしくて、夜になっても(懐中電灯とおにぎり持参で)いつまでも見ているブンタ先生とマコさんの姿が可愛らしくって大好き。



1巻の感想はこちら
2巻の感想はこちら


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