太陽をひとり占め ~小玉ユキ「坂道のアポロン」1巻

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気になっていた漫画家さんの最新刊。
たまたま雑誌で見た連載一話めが面白かったので買いました。


1966年初夏、横須賀から地方の高校へ転入してきた西見薫。
転校を繰り返すうちに見つけた、深呼吸できる場所を求めて屋上へ向かうと、そこには先客がいた。
上級生三人と喧嘩するようなその男は、「札つきの不良」と言われる同じクラスの川渕千太郎だった。
その幼なじみのクラス委員・迎律子も加わり、薫が思いもしなかった三人での交流が始まる。


メガネを外したときに「ハンサムね」って言われたから、それ以来律ちゃんといるときはメガネを外すことにした西見君の恋はなんて甘酸っぱいの!(三浦しをんも推薦!笑)
学校は苦しいだけの場所で、世話になっている親戚の家にも居場所がなくて、吐き気ばかりを覚えていた西見君が恋をし、ジャズの楽しさを知り、千太郎と友情(!?)を育み、新しい世界に触れていく様子を観るのがうれしい。
そして確かに素顔は色っぽい。び…美人!


メガネがまだオシャレや萌えじゃなく、ガリ勉やもやしっ子のものだった頃。
学ランの下に横縞(ボーダーではない)のシャツを着て、葉っぱを口にくわえたバンカラ高校生、そばかすも可憐なしとやかヒロイン。
まだ生まれてなかったので懐かしいというのとは違うけど、昔の日本映画や親の青春時代の写真なんかで見憶えのあるその時代。


画風が古臭いわけではないんだ。同時収録の短編「種男」は完全に現代の話だし、ファッションも言語もテーマも今風。
同じ絵柄で違う年代の空気を出せるのはなかなかすごいと思う。


男子をさん付けで呼ぶ律ちゃんの清楚な可愛らしさ(フワフワのおさげに惹かれる~)や、千太郎の頭蓋骨が固そうな感じ(笑)や、淳兄のタレ目にグラサンが似合いすぎる感じや、ジャズセッションのひたすらにカッコイイ感じが好きです。
海で泳ぎながら笑う律ちゃんを見て西見君が恋心を募らせるシーンの、水がとぷんと揺れる描写がとてもいいと思う。私まで恋に落ちそうになる。
それから、千太郎が助けた女の人がこちらを向いたときの、夕陽が逆光になってその人を美しく照らすシーン。そりゃ、惚れちゃうよね!


西見君・千太郎・律ちゃんの少し変わった三角形にこの女の人が加わって、四角関係になるのだろうか? 待て2巻、です。
千太郎が最初に言ってた天使うんぬんとか、ロザリオうんぬんの話もこの先出てくるのかしら。


タイトルの「坂道のアポロン」とは千太郎のことを指しているんだろうか?
太陽に愛されてすくすく伸びやかに育った身体という感じ。
健やかな身体というものはそれだけで憧れの対象になり得る。カッコイイなぁ。


この記事へのコメント

  • チルハナ

    こんばんは。
    ノイタミナ枠でこの作品を視聴したのですが、紘子さんならきっと原作感想を書いておられるだろうと思っていました(^_^)
    アニメはまだ1話ですが、とても好評のようですね。

    舞台は昭和60年代の九州の港町で、PCや携帯なんか無い時代なせいかサブカルチャー色もなく、薫のモノローグが多い演出は、小説みたいに文学的ですね。
    ゆったりした時間の中で、神経質で繊細な薫が年相応に律子にときめいたり、粗暴な千太郎が妙な面倒見の良さを見せたりという心の機微も丁寧で、作中で流れるスタンダードジャズも心地好いです。
    そして秀才の薫役は、あの西広先生なんですねw

    千太郎のドラムアクションもカッコ良く、薫もジャズピアノにのめり込む展開になりそうですが、これから音楽仲間も増えていくんでしょうか。

    尺が短いようなので、どうまとめるのか見当がつきませんが、なんにせよ毎週の楽しみができました。
    原作も読んで見ようと思います。
    2012年04月18日 21:43
  • 三森紘子

    チルハナさんへ

    こんばんは、コメントありがとうございます♪
    ノイタミナご覧になったんですね! 私はまだちらりとしか観られていないんですけど、とても素敵な出来だったのでうれしくなりました。
    次回からはちゃんと観るようにしたいです!

    >そして秀才の薫役は、あの西広先生なんですねw

    そうなんですよ^^ 千太郎役も好きな声優さんなので、私的にはうはうはです(笑)

    アニメも原作どおりに進むのであれば、これから登場人物も増えて、時に切なかったりほろ苦い感情も描きつつ、かけがえのない友情にも涙してしまうような、ザ・青春ストーリーとなってゆきますので、どうぞお楽しみに^^
    原作もぜひ読んでみてくださいね♪
    2012年04月19日 20:47

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