やがて愛しき馬鹿騒ぎ ~成田良悟「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」

0507

「。・:*:・☆ 蜜  屋 。・:*:・☆」の春(はじめ)さんにお勧めいただいてたバッカーノをやっと読みました。
いつまでたっても古本屋で出会えなかったので、堪えきれずに新品で購入(笑)。


1711年、ある錬金術師が悪魔の酒を飲んで不老不死を手に入れ、同時に家族と仲間の多くを失った。
1930年、禁酒法時代のニューヨークで、再び「不死の酒」が暗躍しようとしていた。
裏組織「カモッラ」と「マフィア」が、風変わりな泥棒カップルが、世界掌握の野望を持った不死者が、チンピラが、警察が、偶然ではなく必然のように絡み合い、衝突し、共闘し――”バッカーノ(馬鹿騒ぎ)”の幕が開く。


たくさんの人物が入り乱れる群像劇だけど、人物ごとに視点が変わってるというよりは、「神の視点」で固定されていると言ってよいと思う。
当然か…このお話自体が誰かに語られる物語という体裁をとってるんだから。
それも「日本語が堪能なカモッラの出納係が、日本人観光客に向けて語った物語」という設定にしたのは上手いなと思う。
ニューヨークが舞台でありながら、「恵比須顔」なんていう日本でしか通じないだろう慣用表現を使うことができるから。
ところでこの日本人観光客、単なる聞き手にしては個性的すぎるような気がするので、この先も登場する予定があるんでしょうか。


そういうわけで、主人公と呼べる一人がこの話には存在していない。個性豊かな登場人物全員が主役だと考えればいいんだろう。
その中で私が大好きなのはアイザック&ミリアの強盗カップル。
なんて可愛いんだこのバカップル!(←大いにホメています)
行動から台詞から、何もかもがお花畑で素晴らしい!
この物語で一番幸せに生きてるのはこの二人な気がするよ。
「もっとも、そんな大きな事を気にする二人ではなかったが。」って一文が、正しく彼らを言い表しててウケた。大好き。


ガンドール三兄弟も好きだし、ランディとペッチョの凸凹コンビを含めたマルティージョ・ファミリーの面々も好き。
でもやっぱり一番はバカップル! 二~人のために~世~界はあるの~(笑)


終盤には読者のためにちょっとした驚きを用意しつつ、しかも用意の仕方が親切。
取りこぼさせない配慮は人によってはいらぬお世話かもしれないけど、おつむが上等でない私にはうれしいです。安心できるし。


ライトノベルって、アニメや漫画になるべくして描かれたもののような気もします。
だって映像を想像しやすいもの。道端で急に踊り出して車にはねられる強盗カップルの姿や、ダラスをドラム缶につめてひとしきり笑ったあとのガンドール三兄弟の冷たい表情や、ヒャッホウひゃっほう言いながら楽しげに騒ぐファミリーの様子や、アイザックが残した林檎の看板へのらくがきなどなど。
だから、人気が出たらアニメ化(または漫画化)されるのは当たり前っちゃあ当たり前ですね。


アイザックとミリアにまた会いたいので、続きも読もうと思う。
アニメを観るためにも。OPに登場する人、まだ全員出てきてないし!


この記事へのコメント

  • うああwwwwwww
    とうとう読まれたんですね!?☆
    三森さんの感想だ~wっわーいw
    なんて文章がうまいんだろう・・!
    その能力あたしにください!(w
    もう、四月はバッカーノ全巻ちかく集めたせいで金がありません・・orz
    しかもDVDに初回限定で小説がついてるそうで・・・
    そっちもほしくなってきてしまいました・・・涙
    おお振り以来の大ヒットです!

    たしかにキャラで見せる小説ですよね。
    あの愛すべきバカップルはいつでも幸せをばらまいています・・・ww
    憎めません^皿^
    これからもドンドン伏線と愛すべきキャラが増えていくので一緒に楽しめたら、と思います。w

    アニメに出てくるのを小説で消化するには
    1931年と1932年を読めばまあ十分ですが、
    知れば知るだけ読めば読むだけ楽しめると思います♪

    日本人カメラマンは・・・。

    まあお楽しみにw
    2008年05月07日 17:38
  • 三森紘子

    春さんへ

    コメントありがとうございます!とうとう読んじゃいましたよ☆
    いやいやとんでもないです、文章能力は私も欲しいです!(汗)
    DVDにまで小説ついてるんですねー、商売上手で困りますね! アニメも早く観たいのでさっさと続刊に手を出したいと思います。

    バカップル(笑)はそうですよね、周りの人まで幸せにしてくれそうなところがいいです!
    一度くらい、あそこまでマイペースになってみたいものです。

    >日本人カメラマンは・・・。

    ええ~気になる~!!
    再登場するんですかね?お楽しみですか…。よーし!(笑)
    お勧めくださって本当にありがとうございました☆また一緒に語り合えたらと思います^^
    2008年05月08日 13:58
  • りる

    こんにちはw
    私は小説未読なんですが、アニメで見てる途中です。
    (何故かと言うと、『夏目友人帳』と同じ監督の作品なので、
    『夏目』前に見ておこうという、至ってオカシな理由で見てます・笑)

    視点の切り替わりが激しいのは、原作通りなんですね~。
    私もアイザックとミリアが大好きなんです。
    愛しいバカらしさですよね!!(笑。褒めてますっ!!)
    っていうか、あの二人、ホント出逢えてよかったですよねw
    2008年05月08日 18:57
  • 三森紘子

    りるさんへ

    こんにちは、コメントありがとうございます!
    私も最初はアニメから入ろうと思ったんですが、一話めを観てこのストーリーをいきなり理解するのはムリだと判断(笑)し、じっくり読める小説から先に手を出すことにしました。
    早くアニメのほうも観たいです。夏目の監督さんなんですねー!それは初耳でした。

    アイザックとミリア、いいですよね!

    >っていうか、あの二人、ホント出逢えてよかったですよねw

    そうそう、まさにそれです!(笑)ここまで「二人で一人」な人たちもそうそういないと思います^^
    2008年05月08日 23:18

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