おお振り感想(アフタヌーン2008年7月号)その1



表紙! 表紙! なんだよー聞いてないよ~!(←うれしい)
丘の上から、決意を秘めた表情で何かを見つめる三橋たち。
視線の先には何があるんだろう? 空? 対戦相手? それとも甲子園? シチュエーションが気になる~。
後ろのほうでヘラヘラ笑ってるのは間違いなく水谷だろうなー。
ロゴの入ってない、ちゃんとした一枚絵が見てみたい! いつかコミックスに収録されるといいな!


というわけで、今月号の感想です。
☆以下ネタバレご注意☆
本当に…長くて、すいません…・走る花井
美丞大狭山戦を終えた夜。ランニングしながら、昼間話し合った目標について思いを巡らせる花井。

(甲子園 出場を目指したとして
そこまで階段100段あったとしたら 99段目でコケても甲子園には行けねんだろ
だけど ”甲子園優勝”するつもりで階段登ってたら 5段や10段踏みはずしたって甲子園には行けるんだ

目標立てたら実現できるってわけじゃない
目標は 自分がそこへ向かっていくって約束なんだ
自分の可能性 めいっぱいまで使ってみたいなら 目標は でかすぎないとだめだ!)



田島の言った「現実感ないくらいじゃないと ”目標”って言わなくねー?」という言葉。
その言葉を自分なりに飲み込んで解釈し、「そこへ向かっていく」ために勢いをつけて走り出した花井。


…花井のモノローグにいきなりすべてが書かれていて、もうなんか、何も付け加えることがないです。
とにかく、ああ…いいなあと思いました。
周りの人や環境にひっぱられることって、結構普通にあることだけど、そういう意味では彼らは最高の環境にいるんだと思う。
(毎度すみません、しつこく引き合いに出しますけども)ひぐち先生の前作「ヤサシイワタシ」でヒロタカが、「マジメにやりたい時、マジメにやってる人見るとスゴイ嬉しい」「やる気ない人見ると自分のやる気も消えてく」というようなことを言ってるんですね。
ヒロタカのように、マジメに何かをやろうとしている人間がそうでない人間の中にいると、一人だけ浮いてしまうときもある。
そういうときは、周りの環境にマイナスの方向へひっぱられてしまう。
田島が皆をプラスの方向にひっぱっていけてるのは、田島自身がそういう力(野球力とか、人間的魅力とか)を持っているのももちろんあるけど、それ以上に周りのみんなもまた「マジメにやろうとしている」「やる気のある」人間だからなんだと思う。
そして、ひっぱっていく人間が田島だけじゃなくて、誰もがそういう人間になれてるっていうのがもう、素晴らしい。


・母帰る
自宅マンション(高級そう…)のエントランスに着いた花井は、ちょうど父母会(飲み)から帰宅した花井母と一緒になる。
お酒が入って普段以上に陽気な花井母がかわいいよー! めっちゃかわいいよー!
そして花井はすごくイヤそうだ!(笑) 思春期の息子の反応だ(笑)

「どんどん男くさくなっちゃってさあ かわいー梓はもーいないのねー」
(ンなもんは元々いねェよ!)

っていうやりとり(?)に笑ってしまった。いやあ、今でも十分かわいーですけど(笑)
いつもは「お兄ちゃん」って呼ばれてるんだねー花井。


そして花井母、お酒の席でモモカンからイロイロ話を聞いてきた模様。
興味なさげにふるまいつつ興味津々の花井(笑)。
花井母情報によると、

●モモカンが高校生の頃は軟式野球部だった
●部員が少なく、モモカンの代には選手一人・マネージャー(=モモカン)一人という状況に
●そのときに軟式から硬式に変えた
●上の代は硬式化に反対で、そこで上とのつながりは途切れた
●その後部員が0になり「野球部」は一度なくなった
●モモカンは看護学校出身

ということだそうです。
モモカン、看護師の資格持ってるのか~!

「意外っていうか ピッタリっていうか
ああいう看護師さんだったら 天国のような地獄のような」


という花井母の言葉にまったく同感です!
意外といえば意外だし、らしいといえばらしい。
モモカンを看護学校に進ませるような出来事が、高校時代にあったんだろうか…。
謎に満ちたモモカンの過去が、ついに明らかになろうとしているのかしら! 気になる!


・「夏でも湯ぶね派」の花井
あっ、私も私も!(笑)
入浴→寝顔→寝起きと、花井ファン垂涎のカット(笑)が続きます。
花井妹ズは、「ラジオ体操がえり」ってことは小学生なのかな?
フロ入って一晩寝たら、昨夜の母の話に感じた疑問点を忘れてしまった花井。


・今日も練習に
(今日は早く行って 会ったヤツから順に説得してやんだ!)と、意気込んで家を出る花井。
一番のりかと思ったグラウンドには、すでに三橋の姿があった。


どうでもいいといえばいいんだけど、砂利道を自転車で走るときのガッタンガッタン揺れる様子がちゃんと描いてあるのがすごく好き。
(ついでに言うと自転車をこぐ擬音が「チャリー」なのも好き)
ひぐち先生の漫画って、五感に訴える漫画だなとつくづく思う。
うるさいほど画面に描きこまれる鳥・セミの声、試合のときなら球場に鳴り響く応援歌、声援、打球音。
世界は音で溢れているのだ!
アニメでもそういうのが再現されててよかった。


閑話休題。
三橋が早く来たのは、花井と同じ目的のためだった。
カバンを抱きしめ、しどろもどろな三橋の言わんとすることを察した花井は、三橋の頭に手を置いて(擬音が「ポンスカ」!)先回りをする。

「おー三橋っ オレも目標 全国制覇にしたからよ!」

うおお、と震える三橋。
そこに泉が登場(自転車を横づけする様子も男前!)。泉もまた、同じことを言いにやってきた。

「花井 オレ 目標全国一に変えンぞ」

ふおお、と震える三橋。
そこにノンキな顔で水谷が登場(前のページの泉登場シーンと比べると面白い…笑)。


ユニフォームに着替えながら話す水谷たち。もさもさと一番遅いのは三橋です。
「……イヤわかるよ オレだって昨日考えて」
と、昨夜は口開けてテレビ観ながらもちゃんと考えていたらしい水谷(笑)。
練習キツくなったらついてけっかなーとか、できっこねーじゃんとか、ネガティブなことを言いながら、水谷の目標もまた「甲子園優勝!」
「なんなんだおめーは!」と泉&花井に盛大につっこまれつつ、ニカッと笑う水谷がちょっとかっこよかった。

(だってお前 田島は一味違うにしても
三橋みたいのが優勝とか言ってたら いくらオレだって やるだけやんなきゃって気になんだろ!)


三橋にひっぱられた人が、ここに一人。
そして花井も泉も、水谷と同じように「練習キツソーとか目標でかすぎて逃げてーとか」思ってないわけじゃないのだけど、「そーゆー気持ちをガッとゴミ箱入れてフタしてき」たんだっていうのがいいです。
だからちょっとでもネガティブなことを周りから聞いちゃうと、あっというまに「そーゆー気持ち」がフタの隙間から漏れてきてしまう。
そうか、だからこそ「全員の目標を統一する」ことが大切なんだなぁ。


でも三橋は、「そーゆー気持ち」とは無縁なんだな…。
三橋にあるのは、「もっと投げたい」「オレがエースに」「マウンドはゆずらない」そして、「このチームでずっと一緒に最後まで行きたい」という気持ちだけ。
ネガティブなようでいて誰よりもポジティブだ。


・(先月号に続き)み~ず~た~に~
上の流れでの、水谷と泉の会話。

「ま 三橋のタメとかはサムイけど」
「それゆーならやっぱ篠岡のタメかね」
「は!?」
「……何? 深いイミはないよ……」

「オレもないですからー」と叫びながらどこぞの方角に走っていく水谷…


青春だ…!!


ひぐち先生はいよいよ青春を始めてくださるおつもりなのでしょうか! 水谷…たまらん好きだ。
(そーなのか水谷)と気づいてしまった泉。泉は周囲の人をよく見てるから、人間関係にいろいろと精通してそうな気がするなぁ。


・そして
モモカンの前に揃った、阿部を除く9人+千代ちゃん。
キャプテン花井が代表して報告する。


「監督! オレらの目標は
全員一致で甲子園優勝です!



一晩考えて、出した答えはみんな一緒。
結ばれた田島の口元がうれしそうに緩んでいます。


その報告を受けたモモカンの、目標達成のための指導が始まる。
甲子園で優勝するために、今からやるべきことは何か。素振りの回数を増やすこと?
「自分を一番ムダなく成長させる方法をよく考えてちょうだい」とモモカンは言う。
部活や自主練以外の全部の時間、野球のことを考える。
通学中、移動教室、そうじの時間は足腰のトレーニングに。
授業中は、集中力を鍛えるチャンス。
不安や不満は膀胱に溜めて、オシッコと一緒に流してしまう。

「イメージして!
甲子園で優勝するにはもう1分だってムダにできない
今から優勝まで全部の時間を野球のために使う!
それがそれ相当の覚悟だよ!」



モモカンは本当に素晴らしい監督だと思うけど、そう思う理由ってやっぱりこの、「ブレのなさ」にあるんだろうな。
最優先事項が常に変わらずあって、それが揺るがずフラつかず。
「この人についていけば大丈夫」っていう信頼があって、でも盲信させるんじゃなく、自分の頭で考えさせることを忘れず、上から抑えつけず、結論を急がない。
指導者として最高の人物なんじゃないだろうか?


私が「全部の時間をそのために使える」ほど、打ち込めることって何だろう…。
仕事…というタイプではないし。子どもができたら子どもがそれになるかも。予定ないけど。
やっぱり「おお振り」かしら…? もうちょっと範囲を大きくして、「ほん」とかかやっぱり?
でもそれって「野球」とかと違って、結果が出るようなものじゃないですね…。目標云々という前に生きがいだもんなぁ…。
うーん…


と悩みつつその2に続きます。


この記事へのコメント

  • みお

    三森様

    今月は久しぶりに涙ナシで読めた号でした(笑)花井ママとの会話のシーンは、梓の「くそっ!」って言う思春期男子独特の気恥ずかしさみたいなモンがビシビシ伝わって来て、読んでて笑わずにはいられませんでした(笑)ナイス!!花井ママ!!(笑)

    そして泉と水谷の登場の違い…(大笑い)巧い…巧過ぎます!ひぐち先生!!(笑)私はますますフミキから目が離せなくなってしまいました。泉とともに、彼の動向を見守って行きたいと思います(笑)

    しかし冒頭から来ましたよね~…三森さんも書かれてますが、本当にあの花井のモノローグで全て表現してもらった感じで…おお振り1巻からずっと、彼らのあのキラッキラした感じが羨ましくてしょーがなくて読んで来たのですが…「良い」方向に「行こう」「行きたい」「目指してみてもいいんじゃないか?」って気持ちまで揃っちゃうなんて…何て素敵な人間の集まりなんだろう!って、大げさに聞こえるかもしれないんですけど感動してしまいます。

    うっとおしい感想でスミマセン(汗)と言う事で「その2」にもお邪魔させて頂きます!(笑)
    2008年05月25日 23:14
  • 三森紘子

    みおさんへ

    コメントありがとうございます!
    涙ナシ…確かに!(笑)ある意味安心して読めましたよね~。
    花井の気恥ずかしさって、わりと誰にでも覚えがあるもので、なんか、他人ごとには見られませんでした。花井ママみたいな母親って特に、あの年頃はうっとおしいですよね(笑)

    水谷は何かといつもオイシイですよね~…ひぐち先生、けっこう彼のことを気に入ってるんじゃないかと(笑)

    花井のモノローグは本当に、のっけからジーンとさせられました!
    >「良い」方向に「行こう」「行きたい」「目指してみてもいいんじゃないか?」って気持ちまで揃っちゃう
    本当に素敵ですよね! こんな集まり、なかなかないんじゃないかと思います。
    でも私が知らないだけで、ひぐち先生はこんな風にキラキラ素敵な球児たちの姿を実際に見てこられてるのかもしれないですね^^
    2008年06月01日 22:58

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