ひぐちアサ「おおきく振りかぶって」10巻感想その3(田島編・三橋編)

その2はこちら


息切れ気味のその3です。
困った…語りつくせる気がしません!


☆ネタバレご注意☆
・田島のカッコ良さ(は言葉ではとても言い表せない)

花井の劣等感や焦燥感を際立たせる意図もあってなのか、10巻の田島の描かれ方はカッコ良すぎてもう死にそうです。息も絶え絶えだ。
いや、田島はいつ何どきだってカッコいいけど!
3連続の好プレーはもちろんだし、「足で挽回すっから!」って三橋に宣言して、ホントに点取って帰ってきたり、イジメられてた(違うけど)三橋をガキ大将さながらにかばってみたり。
私が三橋だったら完全に恋に落ちてるレベルです(笑)
「自分の手柄でも投手をほめる」とか!
カッコイーなオ―――イ!! そら栄口も語尾にハートマークつけるわ。


なんというか、田島が三橋にこういう「ニーチャン」的なふるまいをするのって、三橋を認めてるからですよね。気持ちとかがんばりとか、そういったものを。
で、花井のことも同じように認めてるんだと思う。
花井編でも書いたけど、田島がゲンミツにライバルだと思ってるのって花井なんだと思う。
だから、ケガのせいとはいえ花井に4番を取られたことが田島は結構悔しかったはずで、取っていったその当人がギクシャクと本来のバッティングをできてないから、「おまえもっとシャッキリしろよー!」と言いたくなる。


「スクイズで満足してたらスグオレが4番取り返す! って思っただけ!」
「すぐ取り返せたほうがいーだろ?」
「バッカそんなのぜんぜんつまんねェよ!」


「でもくやしい~~
オレ 背ェ高いヤツキライだし!」



花井が田島にコンプレックスを感じてるように、田島も花井に対してコンプレックスを感じている。
花井にはない天性の才能を田島は持っていて、田島にはない恵まれた体格を花井は持っている。
(そういや、三橋に次いで田島にもここで「宣戦布告」されてるんですね花井は。大人気だなあ!笑)


もっとこうなりたい、こうありたいと望む姿を思い描くことをやめたら、人間オワっちゃうと思う。それこそ「そんなのぜんぜんつまんねェよ!」だ。
田島がこんなにも魅力的なのは、上を認めて、さらにその上へ自分を持っていこうと常に思っているからだ。


うん、でも、こんな言葉だけでは表現できないカッコ良さ。
とりあえず惚れとくのが正しい選択だと思います。



・三橋の宣言

(…敬遠するのは オレに 力 ないからだ)
(逃げられるなら オレ 逃げる ヤジ……平気!)
(チームのエースは 打たれちゃイケナイんだ!)



ヤジもらっても平気、って三橋が思ってるのが面白い。日常生活で怒られるのは必要以上に怖がるのに、試合中のヤジは受けて立つ。
逃げることよりも打たれることのほうがイヤ。打たれて、最終的にチームが負けるのがイヤ。チームが勝つためなら何だってしたい。


怒られやしないかとビクビクするのは、自分に自信がないからだ。
マウンドに立っている自分は、三橋にとって唯一「自信が持てる自分」だから平気なのだろうか。
いや、「自信」なんていう肯定的なものじゃないのかもしれません。なんだろう…なんだろう…もっとこう、切迫した何か。


(”自信”てェより オレへの”信頼”か)と、桐青戦の前に阿部が思ったとおり、三橋の「自信が持てる自分」というのは、現時点ではあくまで「阿部とバッテリーを組んでいる自分」なのだ。
それは阿部に認められなくなったらとたんに崩れてしまう、とても脆い(と三橋は思っている)自信だ。


(花井君 も 田島君のことスゴイと思ってるんだ)
(オレは ホントに ホントに がんばらないと!)



並み入るライバルの影におびえながら、三橋は競争の場を下りることはしない。
花井がさらっと(うちの”エース”はお前なんだよ)と三橋を認めてくれているのがとてもうれしい。他のチームメイトも同じ気持ちなのだろうけど、三橋自身はそんなこと微塵も確信していない。
1番をもらうためにきそうよ、と宣言して、これからも闘い続けていく。
何しろ、「ピッチャーやれないなら野球部入ってもしようがない」とまで思っていた男です。


三橋が、前に何も付属しないただの「自分」に自信を持つことができるかどうかは、もう少し先のお話。
自信を持つって、ものすごく難しいことだ。簡単に持てるなら苦労はしない。
でも、自信と努力は切っても切れない関係だから。


そして、「エース」という存在、「マウンド」という場所に対する三橋の信頼感は絶大で、これは絶対に揺るがないんですね。
その信頼感が、マウンドに立ったときの三橋が持つ強さの源でもあるんだろうけど、それと同じぐらい、「チームの一員としての自分」という立ち位置にも憧れを持っているんだろうと思う。孤独だった三星時代を想像するにつけても。


(投手として必要とされてるの が わかる!)
(オレもコールド 参加したい! 点入れたい!!)



投手やるか/野球やめるか、の二択しかないような三橋が、打撃のほうも常にやる気満々なのがその証拠だなぁ。
やる気に実力がややついていってないのが玉にキズだけど。
しかも阿部には、打者走者としての活躍は全く期待されてないという…。むしろケガして投げられなくなったら困るから大人しくしとけ!と(笑)
でもそれが阿部の仕事なんだからしょうがないよね☆ だから捕手が「女房役」って呼ばれるんだもんね☆






すいませんなんか尻切れトンボですが、続きます…。(まだ続くのかよ!)


その4はこちら


この記事へのコメント

  • いや~~~ほんと、
    田島10巻ほんとにかっこよくて・・・。
    ナイピッチでいろいろと貫かれたのはわたしだけでないはずww
    あと。地味に好きなシーンはモモカンのものまねです。笑

    田島は表面にでてるものも素の魅力なんでしょうけど、まわりにはときにまぶしすぎますよね。
    そんな風に魅力的に描かれてる田島の悔しがるシーンがみられて…よかったです。
    田島も、・・・田島も悔しいんですよねッ!

    ついていきます!三森様!!!
    書ききって下さいwww
    2008年05月28日 19:23
  • みお

    三森様

    10巻の感想UPはこう来たか~…と思いながら全部目を通させてもらってます(笑)そして来ました、我らが田島・三橋編!!(笑)ここはね、もう栄口君の「カッコイーな、オイ」に集約してます…(笑)そりゃ三橋じゃなくても沸騰しますよ!!田島様!!!!(笑)

    「ピッ」
    「ピピッ」

    ナニ!?この合図!?(笑)こんな可愛いやり取りされたら、そりゃ阿部だってヤキモチを焼くに決まってる(そんな場面はない!:笑)

    田島が居て良かった~って思います(つい三橋の親のような気持ちで見てしまう自分…:笑)こういうシーンを見ると、ひぐち先生の「10人のクラス分け」の上手さに感服しちゃいます。ほんっと絶妙!!

    話逸れてスミマセン。続き、楽しみにしています!!
    2008年05月28日 22:32
  • 三森紘子

    コメントありがとうございます!


    ●春さんへ

    >ナイピッチでいろいろと貫かれたのはわたしだけでないはずww
    ここにもいます!貫かれた人間が…!(笑)
    モノマネも最高でしたね。田島はやることなすことイチイチ良い!

    そう、田島も同じ人間ですもんね!悔しがることもありますよ。
    田島の、自分の力を過信しない/他人の力を低く見積もらない、ニュートラルなところが大好きです。
    天才はこうあるべきだなあと思います!

    そしてそして、力強いお言葉ありがとうございましたぁぁ~!!
    おかげで、(一応)書き終わることができました!



    ●みおさんへ

    いつものように場面を順に追っていっては、書き終わる前に間違いなく力尽きてしまうと思い(笑)、こういう体裁での感想にさせていただきました(>_<)
    「カッコイーな、オイ」が田島のすべてを集約してましたね!

    >「ピッ」
    >「ピピッ」

    何の電波―!?って感じでしたね(笑)二人にしか見えない電波があるんでしょうか!かわいいかわいい。でもこれ、この二人だから許されるんですよね。阿部がこんなことやってたら確実にヒキます(ごめん阿部・笑)

    クラス分けはほんとに絶妙でしたよね。何も考えずに分けたわけじゃないんだ~!と、細かな設定にもこだわるひぐち先生の姿勢に感服です。三橋は田島と一緒のクラスでほんと~~に良かったですねえ。

    ありがとうございました!一応続き、書きました!
    2008年06月01日 23:08

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