欲しかった言葉 ~原作・三浦しをん/漫画・海野そら太「風が強く吹いている」2巻



2巻もイイ! 面白~い!
すっごい好き!
しをんさんには申し訳ないですが、原作以上に好きかもしれません!
とにかく絵が好き、絵からあふれる空気が、疾走感が好きだあ。
言葉ではない、理屈ではないです。ほんと好きです。


アオタケのみんなもどんどん個性が発揮されてきた2巻。
キングのノリやすい性格とか、ユキの熱くなりきれないところとかも好きだけど、特にニコチャン先輩のエピソードが良かった。
かつて陸上部の長距離選手だったニコチャン先輩。筋肉質の体型は長距離に向かないため思うようにタイムも伸びず、顧問からも投てきに種目変更しないかと誘われる。
けれど先輩は長距離を続けた。「走るのが好き」だったから。


「オレが向いてないのはきっと本当だから
あきらめたらそれを認めることになる
一度あきらめたら 次も きっとまた あきらめる
こっから先の人生 ずっとあきらめ続けることになる…!!」



「あきらめ続ける人生を送る」ことをあきらめ、それに慣れてしまったニコチャン先輩。
けどもう一度、あきらめずにがんばろうと思えたのは、仲間からの「がんばれ」という言葉のおかげだった。
走っているときは孤独です。この体を、この脚を動かし続けるかどうかは自分が決めること。
でも誰かの言葉ひとつで、自分は今「ひとりじゃない」と思うことができるんだなあ。
みんなの「がんばれ」という声援で、カケルが本来の走りを取り戻せたのもそう。
ハイジさんのいう、長距離選手にとっての「強さ」って、そういうことでもあるのかな。


禁煙を続けることにしたニコチャン先輩の表情は、何かがふっきれたように清々しくて、とてもうれしかった。
無関心なふりして実は寮の皆を気にかけているユキ(最近ユキの株が私の中で急上昇)の、「コリンブランストーンの繊細なスモーキンヴォイスが全っ然聞こえないんだけど!!」というセリフに笑った。「ヘッドフォンつけなよ…」(笑)


そしてカケルと同郷の榊がいい。すごくいい。
しをんさんもブログで書かれてたけど、初登場シーンが良すぎる! なんというか、榊というやつがどういう人間かっていうのが一発でわかるんだよな~。
カケルに声かける前に、一人で鉄棒の上に登ったんだろうなーとか(笑)たぶん、見下ろしたかったんだろうな…。
人一倍努力している自負はある。自己中のカケルのことは気にくわないけど、彼もまた努力していることは認めている。
けれどまるで「宇宙人」みたく、ひとり別の次元で走っているカケルに感じる温度差。
走るのが嫌になったことはないのか、そう訊く榊に「ねえよ」と答えたカケル。


「オレはある!!! めちゃめちゃある!!!
(中略)
オメーといた3年間で嫌ってほど思い知らされたっちゃ オレは天才なんかじゃねーって
(中略)
んでも 走る なんでだと思う?
オメーさ勝つためだ!!!」



努力しても努力しても、すぐカケルに追い抜かれる榊。
でもそこでカケルのせいにしていじけるんじゃなくて、さらに努力をしようとするところが愛しいです。
榊はとにかくいいっ!! 榊サイコー!


1巻の表紙ではカケルは一人で走ってたんだけど、2巻ではニコチャン先輩と双子が併走しています。
巻が進むにつれて、だんだん人が増えていくのかな?
3巻が楽しみだよう!


なんか全体的に頭の悪そうな感想文になってしまいましたが、個人的に強烈におすすめしたい作品です。
表紙の絵が好きな感じなら読んで損はないと! 思い、ますよ!(笑)



1巻の感想はこちら


この記事へのコメント

  • yuuuming

    本屋さんでやっとこさ見つけて買いました!
    ほんとハイジさん、かっこいいですよね~。
    1巻の感想で書かれてましたが、「それが答えだろ」のハイジさん、良いですよね!!
    私もあのシーンでずきゅーんとやられました!
    (いや、初登場シーンから惚れちゃったけど(笑)あそこでほれなおした感じです。)

    榊は小説版よりもキャラ立ちしてるなーと思いました。
    しかもそれが原作の色を損なうことなくキャラ立ちしてるのが素晴らしいっ
    小説は寛政大学にちゃちゃを入れる嫌な奴で終わってたけど、
    どういう思いで走ってたかが加わったことで、
    ただの嫌な奴に終わってなくていいなぁ~と思いました。

    あとニコチャン先輩のエピソードも小説のはしばしにあった話を見事につなげてて、よかったです!
    2010年01月24日 00:22
  • 三森紘子

    yuuumingさんへ

    コメントありがとうございます☆

    おおっ、漫画版読まれたんですね!
    そうそう! ハイジさんは本当に…かっこいいですよね!! 有無を言わさず惚れてしまいます(笑)
    榊も愛すべきキャラクターになっていましたね。カケルに対する複雑な思いなど、細かく描写してあってよかったです。

    >あとニコチャン先輩のエピソードも小説のはしばしにあった話を見事につなげてて、よかったです!

    実はちょうど今、原作小説を再読している最中なんですよ! 読み終えたら、また感想を書けたらいいなあと思っています♪
    2010年01月24日 23:05

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