走る姿は心の姿 ~原作・三浦しをん/漫画・海野そら太「風が強く吹いている」3巻



どうしたらこの面白さを言葉で表せるんだろう?
どうして全てのコマが、読んでいてこんなに気持ちいいんだろう?
コマからマイナスイオンでも出てるのか? いや、それをいうならアドレナリンか?
本当に、何なんだろう?


3巻の表紙は、カケルとユキ&王子でした!
カケルが微笑を浮かべているのも、心境の変化をうかがわせるよう。


いよいよ本格的な練習が始まり、タイムも順調に縮んできたアオタケメンバー。
しかし、まだまだ強豪と渡り合えるだけのレベルでは到底なく、カケルはいらだちを募らせる。
どうしたのかと訊いてくる皆に対し、ついに気持ちを爆発させてしまうが…
寛政大学陸上部はいよいよ箱根駅伝予選会へ!


スランプを越えて、またひとつステップアップしていくカケル。
かつて藤岡さんにかけられた「強うなれ」という激励の言葉。
「速く」ではなく「強く」。着実に、そこへと近づいているように思えます。
カケルだけじゃなくて、他のアオタケのみんなも。バリバリ文系の王子も、最後まで嫌がってたユキさえも。
カケルがいた仙台城西高陸上部は、「チーム」じゃなかった。でも、今のアオタケは「チーム」と呼ぶにふさわしいのではないかと思う。


そしてやっぱり東体大の榊がいい。榊が出てくるとテンションが上がる。
榊としゃべるときはカケルもつられて地元の言葉に戻るところがまたいい。
高校時代、カケルが監督を殴って部自体が大会出場停止になったとき、原因を作ったカケルを榊は恨めしく思っただろうけど、でも他の部員のように、「蔵原が消えた、速い奴がいなくなってくれて良かった」と喜ぶ気にはなれなくて。


あの頃、たった一人で走っていたカケルが、今は仲間と一緒に走っているということが、榊は悔しいのかもしれない。「今それができるなら、なんであの頃やってくれなかったんだ」って。
憎まれ口をたたきつつ、調子の出ないカケルを見て心配してしまったり、何度負けようが勝つための努力を絶対に惜しまなかったり。
そういう風に思える相手がいることは、榊にとっていいことなのかもしれないなぁ。


ニコチャン先輩が17分台を切った瞬間…ゾワッときた! めちゃめちゃうれしかった!
17分まであと2分弱、というところまできたときの、「また17分切れるって期待してるオレがいる…」には泣いた!
ほんとに…ほんとに良かったね、ニコチャン先輩!(ついでに王子も!笑)


得体の知れないハイジさん。底が見えなくて怖い。
第28路ラストの大ゴマの顔なんてすごいよ、すごい表情してるよ!?
その視線がまっすぐであればあるほど怖いって、どういうことなんだ…。でも好き。


藤岡さんが(顔に似合わず)すごくいい人だったり、カケルが五反田を「ゴハンダ」と読んでたり、王子の読んでる漫画が「デトロイト・メタル・シティ」だったり、楽しい部分もたくさんありました。
古賀さんはほんまにセクシーやわぁ…。えらい色気を醸し出してはる…。
あと、ニラ(犬)がかわいい! 葉菜子ちゃんはもう少し存在感が出るといいなぁと思います、せっかくの女の子キャラなんだから。


2巻が出たときも、今回3巻が出たときも、前の巻を引っ張り出してついつい初めから読んでしまった。
ああ、面白い…。
海野そら太さんの漫画は、私とよっぽど相性がいいみたいなので、前作の「女子アナ魂」も買っちゃおうかなぁと悩み中です。



1巻の感想はこちら
2巻の感想はこちら


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