ふくらはぎもニコニコ ~玖保キリコ「バケツでごはん」全8巻



前にもちらっと書きましたが、昔アニメでやってたんですよね。
結構面白いなぁと思ってよく観ていたんですが、原作漫画もクソ程面白い!!(あっ、つい言葉遣いが下品に)
というか、子どもの時読むより大人になってから読んだほうが、絶対に面白い漫画だなあこれはと思った。
単なる動物ほのぼの漫画じゃないんだなー!



たくさんの人でにぎわう上野原動物園。
その動物達は実は地下鉄で通勤しており、お客さんを喜ばせるためのエンターテイナーとして勤務していた。
人間社会には秘密裏に形成されている動物たちの世界の中で、人間社会と変わらない恋愛や動物関係が繰り広げられる。
動物園の動物達を擬人化して描き、サラリーマンの悲哀、幼児虐待、貧富の差、ジェンダー、同性愛等の幅広いテーマを取り上げている。
(wikipediaより引用)




とにかく、主人公のペンギン・ギンペーちゃんのプロ意識に惚れます。
動物園で働く職業人として、お客さんを楽しませることを第一に考えるギンペーちゃんにかかると、仕事終わりに観に行くストリップショーさえも「ごっつよくできたエンターテイメント」として映るのです。
そして人情家。情に厚く涙もろい、いかしたペンギン野郎です、ギンペーちゃんは。
そんなギンペーちゃんと対照的な、協調性のないミンクのミミ(かわいいけど実はオス)も、人知れず「かわいい自分」を磨く努力を怠らないところは紛れもないプロ根性で、その点はギンペーちゃんともお互い認め合ってるのがいいなあと思う。


パンダ一家も好き。ロンさんが帰ってくるくだりの話は涙なくしては読めない…
典型的なエリート意識を持っていたロンさんには、最初の頃はすごく腹が立ったけど、挫折を味わってからの彼はすごく素敵な人(…じゃない、パンダ)になったように思う。
息子のリーチがまたいい子なんだよねええ。ほんとにいい子なんだよおお。
家族愛にギンペーちゃんがもらい泣きするたび、私も一緒に泣きました。
父子で力をあわせて料理をつくって、「ばんざーい」するところなんてたまらなかった。


あとは、キリンのフラジーちゃんの妄想乙女っぷりが大好きです。
基本的にいつも自分(と黒田さん)のことばっかり考えてるフラジーちゃん、キライじゃないぜ!
ショックを受けてガーンってなってる顔がブサイクでかわいい。
そして、恋のライバルだったミミとだんだん親友になっていくところがほほえましかったです。謝りにいくミミに、ついていってあげたりして。


wikiのフラジーちゃんの項で、『アニメでは、「来週は、どんなお話になるのかしら?フ~ン。」というナレーションで締めていた。』と書いてあったので思い出したけど、そうだったそうだった!
ピンクの電話のよっちゃんみたいなキャピキャピ声でしたフラジーちゃん。
ミミ役は神田うのがやってたんだよなー。あれもなかなかイメージに合っててよかった。
あと、ギンペーちゃんの関西弁がすごいよかった。
あーー…アニメ、観たいなあ! 再放送希望!!
(ちなみに記事タイトルの「ふくらはぎもニコニコ」というのは、OPテーマ曲の歌詞です)


終盤の展開はすごかった。うおお、どうなるんだ!! と引き込まれました。
サンペーとミントちゃんの電撃婚約も驚いたし、ギンペーちゃんとチェザーレが失恋した者どうしの友情を育んでいくのも意外だったし。
ギンペーちゃんとピンキーがお互いを意識し始めてから結婚するまでの過程もゆっくりと丁寧に描かれていて、ものすごくよかった。
ギンペーちゃんがついに「好っきやねん。」って言っちゃうところ、もうすばらしかった! この唐突なタイミングとか! ひとりガッツポーズを決めてしまった(笑)


そして、面食いのプレイボーイだったチェザーレが最終的に選んだ結婚相手が、美人ではないけど心の綺麗な小雪ちゃんだったというのもいいです。
縁というものは不思議だし、人生どう転ぶかなんてわからないんだねえ、と思いました。
お互いの結婚式で、お互いの幸せを喜んで大泣きしていたギンペーちゃんとチェザーレ。相容れることはないだろうと思っていたのに、いつのまにか唯一無二の悪友になっていたんだなあと、感無量。そんな二人が好きだ。


「ズブさんとタボン。サンペーとミントちゃん。
他人同士が家族になったんやな……」

そんなふうにギンペーはつぶやく。
親から虐待を受け、捨てられていた子ブタのタボンを、拾って引き取ったオオカミのズブさん。
誰のことも信用できず、食べ物があればあるだけ、お腹がはちきれるまで食べてしまわなければ不安で仕方がなかったタボン。
そのタボンが、楽しいことを見つけ、愛情をかけられること、かけることを知り、普通の子どもらしく活発になっていって。
タボンと離れるのが心配だといって、家を離れて工房へ行くのをやめようとしていたズブさんに、「ボクのためにやりたいこと我慢しないで。」という言葉をかけられるまでに、いつのまにか成長してた。


工房に届いたタボンからの手紙を読みながら、「家族って…いいですね。」とそっと口にするズブさんは、とてもとても穏やかで幸せそうな顔をしている。窓の外には青空が広がっている。
偶然の行き合いからゆっくりと時間をかけて、本当の家族になっていったズブさんとタボンの、この先ずっと続く幸せを願わずにはいられません。


単に動物園を舞台にした漫画というだけではなく、ふれあって変わっていく人間関係(動物だけど)を、非常に巧みに描いた作品だと思います。
本当に得るもの、学ぶものが多かった。
連載中に存在に気付けなかったのは私の不徳のいたすところですが、今からでもブームよ再び来い! と声を大にして言いたいなあ。
まだ読んだことがない人はぜひ読んだらいい! 大好き!


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