群青の日々の幕引き ~入江亜季「群青学舎」4巻



終わってしまった。
私の心を豊かな気持ちで満たしてくれた「群青学舎」シリーズが、とうとう最終巻を迎えてしまいました。


「漫画は憧れを描くもの、と決めたのもこの頃だったと思います。」

入江先生の前作「コダマの谷」のあとがきに、こんな一文がありました。
読む側にとってもまさに、入江亜季の漫画は憧れそのものであった、と改めて感じます。
眼福。堪能。ただただ味わって、そこに流れる空気を吸い込む。
「あるある」とか一切、無い!(笑)ひたすら憧れの対象だ。
たとえば、入江亜季の描くような美しい女性に、私もなれたら! …とか(無理)。
ああ本当に、豊潤で芳醇な作品集でした。


4巻発売に際し、1巻から通して読み返したのですが、まずは4巻の感想から。
やっぱりなんといっても「コダマの谷」のライダーとマージが再登場してくれたのがうれしい!
マージったら、綺麗になって! 予想通り、綺麗になって!
ライダーも乱闘のときに眼鏡が一瞬ズレて、男前な素顔を見せてくれていたのでウヒョーとなりました(笑)「コダマ」でははっきりと描かれなかった素顔が今ここで!
外から来た客人と出会い、初めての小さな冒険をするルカもとてもよかったなあ。


「七色ピクニック」「七色ファミリア」「七色トゥモロー」の三部作は、自分がまだ結婚も出産も経験していないことが悲しくなるような(笑)ステキな家族の物語。
子を持つ喜びも知らないし、巣立つ子を見おくる寂しさもいまだ知らない自分…。それはそれで身軽でいいのですけど。でもこの家族はうらやましい。
それにしても、ママが美人んんんー!!!


「老楡」の少年たちの苛烈さは、初期の頃にはなかったもののような気がする。
そう考えると、やっぱり徐々に絵柄は変わっているんだなあ。
烈しく衝突する二人とは対照的に、その二人をただ見守っている老木、その穏やかな目。
不思議な余韻の残る話です。そしてここにも存在する憧れ。


4巻ラストの描き下ろしには、18ページにわたってこれまで登場した全キャラクターの後日談が描かれています。
これはスゴイ。これはファンとしてはうれしすぎます。
それぞれの登場人物には、それぞれの「後日」があるんだ。続いてるんだ、と思えることの幸せ。
ん?「老楡」の二人がいないぞ? と最初は思ったけど、マージの前を通り過ぎていった二人がそうだったんだなー!


いろんな人が登場したんだなあー。
お姫様もたくさん出てきたよ。
どのお姫様も凛々しく気高く美しかったけど、いっちばん好みだったのはやっぱり、「北の十剣」のグゼニア姫かしら。んもう、何もかもが素晴らしすぎる。
カップルだと、「時鐘」の昼田さん&紺野くん。すっごくかわいい。
夫婦なら「メリー・ガーデン」のブンタ先生&マコさんの歳の差夫妻!
「白い火」の静間と漣子も、前はそうでもなかったんだけど、読み返してみるとすごく好きになった。卒業してもつきあいは続いてるのね!
ユリアナ姫も美しく成長なされたみたいでよかったね!
青子も元気なら、よかった。


「群青」は、ラピスラズリ(瑠璃)からとれる色。
群れる青、青の集まり。
私の一番好きな色です。



1巻の感想はこちら
2巻の感想はこちら
3巻の感想はこちら
「コダマの谷 王立大学騒乱劇」の感想はこちら


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