青春に嵐 ~小玉ユキ「坂道のアポロン」3巻




「この物語は、フィクションです。というか、ファンタジーです。」
という作者さんの言葉が、すんなり腑に落ちます。
そうねえ、ファンタジーだねえ、これは。そして、それだから「坂道のアポロン」が好きなのよねえ。
特に薫と千太郎の関係を見るにつけそう思います。
ほとんど奇跡に近いんじゃないかなあ。


雪を見てはしゃぐ律ちゃんがあまりにも可憐でズキューンときました。
もう完全に薫目線で見てました。
こんなキラキラした瞳で雪を手のひらに受け止めようとする女の子に、どうやったらなれますか…
どうにもならんことなのに、自分を責めて心を痛める律ちゃんに、「ああ…律ちゃん…」と思う。ああ…律ちゃん…


子ども時代の千太郎がかわいかった。
成長した今の千太郎が、誰かにとって太陽のようにおおきくあたたかい存在になっていることも、奇跡のように尊いことに思える。
薫と千太郎、小さな子どもに戻った二人が、一緒にオルガンを弾くシーンが好きです。
二人がもしその頃出会っていたら、どうだっただろうなんて想像もしてみる。


酔っぱらって千太郎に絡む薫とか、並んでレコードを聴く千太郎・百合香・淳兄の三人とか。
不意のキスとか、糸電話の会話とか、木に登って二階の部屋に転がり込んでくる友だちとか。
キラキラ青春要素満載、いいぞーもっとやれ!(笑)


色々と嵐が吹き荒れた3巻。
これからもまだまだひと嵐吹きそうな展開で終わってたので、4巻が楽しみです。
そしてやっぱり3巻表紙は律ちゃんだったね! 寄り目気味なのがまたなんとも可愛らしいです。4巻は誰だろう?


同時収録の「バグズ・コンチェルト」もよかった。
本気でこの人の短編集は読んだほうがよさそうなあ。



2巻の感想はこちら


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