ウィ・キャン・フライ ~加納朋子「少年少女飛行倶楽部」



よかった、おもしろかった。表紙のイメージそのままの、かわいくて明るくて、いい気分になれるお話。


中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かならず飛べる。空とぶ青春小説。
(amazonあらすじより)



主人公の私ことくーちゃん(「海月」は「くらげ」ともよむところからついたあだ名)が、ニブちんなのがいいな。主に恋愛方面に関して。
おかげでこっちはニヤニヤさせられます(最近ニヤニヤしてばっかだな)。ラストは「紅の豚」のナレーションを思い出した。
偏屈な先輩や、頓狂な友人や、意地悪な同級生に振り回されるくーちゃん。
心の中では不満や文句も大いに垂れ流すんだけど、根っこの部分では他人を憎むことのできない子なんだと思う。ものすごくお人好し。


登場する中学生が変わった名前ばっかりなのが現代的。
「海月」や「海星」はまだしも、ジュエリーだから「樹絵里」ってのはなかなかすごい。極めつけは「朋」と書いて「るなるな」とよむって…親御さんすげえな! 「天使」で「エンゼ」っていうのもまた。
「球児」くんも、野球好きに育てばぴったりの名前だけど、そうじゃなかったときは悲しいよね。親の願いが込められた名前も、その子にとっては呪いになってしまうこともあるんだな。呪いをかけられないために本名を隠すなんて話も聞くくらいだし。ランドリオールのDXも確かそうだったような。


まあ親はどうであれ、子どもはそれなりにしっかり育っていくのかな、そうだったらいいな、と思った。
息苦しいことも多い世の中、それなりに楽しいことを見つけてくれてたらいいなあ。


少年少女たちが空を飛べたのかどうかは、読んでのお楽しみ。しかし終盤は展開早かったー。
あと、イライザは父親しかいない設定だったのに、途中でお母さんがいることになってるよ…??
るなるなのキャラだけはいまいち最後までつかめなかったなー。斉藤先輩のことちょっと好きだったんだろうけど。「怖い」という感情も知れたし、くーちゃんとも仲良くなれたしよかったのかな。


それから、「世の中で一番馬鹿な生き物は、中二男子なのだと聞いたことがある。銀魂で銀さんも言ってたし。」なんていう文章が何食わぬ顔であったりして、思わず笑った。
加納先生…銀魂ご存知なんですか(笑)お子さんが読んでたりするのかな。



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vol.23「 少年少女飛行倶楽部 」加納 朋子
Excerpt: 少年は夢の中ではなく、本物の空を「飛ぶ」ことに決め、たった一人で『飛行倶楽部』をたち上げます。少年の夢は少女の中の卵の殻に穴をあけ、少女はその穴から覗く青空を少年共に、いえ、少年を飛ばすことに自分の夢..
Weblog: L4BOOKS - イラストですてきな小説と出会えるウェブマガジン。毎週月曜日更新
Tracked: 2009-12-14 18:11

加納朋子「少年少女飛行倶楽部」
Excerpt: 加納朋子著 「少年少女飛行倶楽部」を読む。 このフレーズにシビれた。  大人は常に子供を支配し、コントロールしたがっていて、名付けとはその支配の第一歩なのだと聞いたことがある。読めなかったり風変わりだ..
Weblog: ご本といえばblog
Tracked: 2010-04-14 07:21