来客を告げるベルが ~恩田陸「訪問者」




『もうすぐ訪問者がやって来る。訪問者に気を付けろ』



待ってました。これを読みたかったの。恩田作品久々のヒットでした。
「木曜組曲」ファンとしてはうれしい、密室での会話を中心とした推理劇。
といっても、「木曜組曲」にあったような本筋に関係のない世間話というのはほとんど出てこないため、展開は非常にスピーディです。それが物足りなくもあるけど、飾り気がないのもまた魅力。



山奥の洋館、謎の死を遂げた女実業家と若い映画監督、その縁者である老獪な住人達。
次々と現れる訪問者達は、手の内をなかなか明かさない。誰が嘘をついているのか、筋書を引いているのは誰か、「訪問者に気を付けろ」という警告の真意は?
もう、この舞台設定だけでぞくぞくします。
おあつらえむきに嵐の夜で、崖崩れで、陸の孤島! そうこなくっちゃ!(笑)



小野寺をメインにして、また違う小説を書くこともできるんじゃないかなーと思う。
最初は別の名前で登場して、途中で正体が明かされる…みたいな。



口あたりは軽く、すぐ読めますが、しっかり満足感も得られます。
最後まで読んだからって油断するなよ、というところがたまらなく好き。
アマゾンのレビューで「2時間ドラマのよう」という評価がされていたけど、正にそんな感じ。
でもドラマよりはやっぱり舞台か映画で観たいな。芸達者な役者さんが演じるところを想像するだけでごはんがすすむよ。



ところで、各章のサブタイトルには、有名な児童書の題名を使うという趣向がとられています。
第二幕のタイトルは「ももいろのきりん」。懐かしいなあ。子どもの頃大好きで、何度も読んだものでした。


 



この記事へのコメント


この記事へのトラックバック

訪問者に気をつけろ
Excerpt: 小説「訪問者」を読みました。 著書は 恩田 陸 閉ざされた洋館 ある一族 遺言 父親の謎 謎の男 1つの死体 訪問者に気をつけろ という手紙・・・ なんか いかにも設定で 2時間ドラマでありそう..
Weblog: 笑う学生の生活
Tracked: 2010-10-09 01:16