わすれられない物語に出会いましょう ~市川春子「虫と歌 市川春子作品集」




「春を見せたかった いくら食べても減らない花を」



とうとう発売…! 熱望しておりました。
アフタヌーン誌上にて忘れがたい作品群を掲載されていた、市川春子氏の処女作品集です。
奥付の初出を見たら、四季賞受賞作の「虫と歌」が2006年10月号掲載だった。3年待ちましたか。



まずは表紙をご覧ください。気になりますね。気になる方は読めばいいと思います。
それから収録作品タイトル。「星の恋人」「ヴァイオライト」「日下兄妹」「虫と歌」「ひみつ」…気になりますね。気になる方は読めばいいと思います。
ヒトも、虫も、植物も、星も… 生けるモノ達の交感を、淡々と、切なくも鮮やかに描いた珠玉の短編集です。気になりますね。気になる方は読めばいいと思います。
もう、みんな読めばいいと思います! こればっかりは強気に押し売りしたい!(笑)



日常もクライマックスも、楽しいときも悲しいときもずっと同じテンションの画面、それらがひどく抒情的で、ひどく雄弁に何かを語ります。
とぼけた会話もまた良い(「日下兄妹」の野球部の会話なんて特に)。台詞回しが独特で。
ことばが小さな光のつぶみたいに、あちらこちらにちらばって浮遊してる。



短編4つとも、もれなくいいのでどれが一番か、とかはとても選べません。
が、ぐっさりくるのはやっぱり「ヴァイオライト」だろうか。
その一瞬があっけなくて、それこそ稲妻のように、心に突き刺さって。離れてくれない。あざやかに。



人物だったら「虫と歌」のうたが好き。
うたは別格で好きです。
「日下兄妹」のヒナも好き。すごくかわいい。



「ひみつ」は描き下ろしの2ページ漫画です。やったね!
タイトルの「ひみつ」はダブルミーニングになってるんだな。先生の秘密が入ってるプラネタリウム。それから、この先生と先生のプライペートな空間でくつろいでる女の子とは一体どういう関係なの? っていうね。
こういう超短編を何個でも読みたいな。アイディア勝負で、短いからこそ鮮烈なのを。



市川春子が今現在生きていて、これからまだまだもっといろんな作品を描いてくれるのだと思うと、嬉しさで胸がはちきれそう。



 



この記事へのコメント

  • inField

    はじめまして♪
    よかったらウチのブログも
    見ていってね♪
    2010年01月18日 15:47
  • 三森紘子

    inFieldさんへ

    はじめまして、コメントありがとうございます。
    また見せていただきますね♪
    2010年01月19日 19:25

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