おなかいっぱいになりましたか? ~原作・脚本 福田雄一/ノベライズ 相田冬二「大洗にも星はふるなり」



相田さんの新作ノベライズ…もちろん発売日に買いましたけど、読むのは映画を観てからにしようと思ってガマンしてたのに…いつのまにか最寄り館での上映が終わっていました……しょぼーん。
ちょっと終わるの早すぎない!? もうちょっとねばってほしかった~! 最終日の2日後には観に行けたのに~~!
しかしこれ以上読むのをガマンするのは無理だ! と思って、結局小説を先に読んじゃいました。
以下、映画未見の人間の感想ですのでご了承くださいませ。



海の家のバイト仲間に、海の家のマスター。クリスマスイヴという意味深な日に、みんなのマドンナ・江里子から手紙で呼び出された。
そこに、海の家の撤去を求める弁護士も乱入し、真冬の海の家は大騒ぎ。
果たして、江里子の本命は誰なのか? 本人不在のまま、7人の男たちが勝手に繰り広げる、猛烈自己アピールの行方は…?
そして、衝撃の結末とは―。
(Amazonの紹介文より)



相田さんのノベライズ作品の良さについてはもう何度も繰り返してるので、一言でまとめてしまいますが、
「相田さんにしか書けないノベライズ」に、ちゃんとなっているところ、だと思います。
さらに今回の作品で面白いのは、章ごとに語り手が順繰りに交代していくところ。ストーリーは一本道なんだけど、誰から見た視点かで、口当たりはがらりと変わるはず。
サブタイトルのおしながきに倣って言うならば、料理人の腕の見せ所ですね。
特に猫田の章が好き。



 まさか、君が先にいるとは思わなかった――。
 これだな。これしかないな。「……」じゃなくて「――」だな。情感たっぷりの余韻をもたせるムードづくりだな。
 立ち止まって、小さく口にしてみる。
「まさか、君が先にいるとは思わなかった――」
 いいな! これ!
「君」のシャープな響きに「思わなかった――」のアンニュイな空白感。これでしょ。このコーディネートでしょ。(後略)



このくだりとかすごい好きだ~。
「……」と「――」のニュアンスの違いに着目されてるところが特に、ものかきを生業とされている方の文章だなあと思います。
しかし…書き言葉ならともかく、喋り言葉でそんなニュアンスを出そうとしてる猫田はちょっとアホっぽくみえる(笑)可愛いな。猫田可愛いな。
そんで結局最後まで言えなかったし、言うべき相手もいなかったしな(笑)
あと彼の、地の文一人称「おいら」は小説オリジナルなんでしょうか? 台詞では「俺」だよね。



それから、弁護士さんの章もよいです。だんだんとタガがはずれていく弁護士さんがステキ(笑)
杉本のポエティックな語りもよかった。「キザ? 俺のことか? 俺が俺らしく在ることが、お前にはそんなふうに映るのか?」が無性にかっこいい。
マスターの終盤の独白が妙に意味深だぜ。気になるぜ。



あ~、映画も観たいな!
だってマドンナが戸田恵梨香だぜ!(←マスターの「だぜ」がうつった・笑) 私が男でバイト先に戸田恵梨香がいたら、確実に惚れてると思うもん。
山田孝之も杉本のイタい感じを好演してくれてそうだし、佐藤二朗のマスターもゼッタイ面白いだろう! 「お口にルージュ!」「チャックでしょ!」のボケがツボにはまってしばらく笑い続けてました。



アンコール上映もしくはリバイバル上映を心待ちにしてます。
加えて、相田さんの次回作を心よりお待ち申し上げております!



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