肉体のあたたかさ ~雁須磨子「あたたかい肩」



須磨子さんの作品は、新刊が出たら必ず買うと決めてるわけではないのですが(「いばら・ら・ららばい」とかまだ読めてない)、
先月にBL2冊を買った勢いで、これはついつい買っちゃった。
表紙の女の子に、しっとりした色気を感じる。ええのうー。



BLでは、いわゆる架空の世界のときめきをもたらしてくれる須磨子さんですが、
一般向けのこちらではもっと生々しく、肉体のリアルさなんかを感じさせてくれます。
単刀直入に言うと、なんかエロいのです(笑)(※そんな話ばかりではありませんよ)



女性の体が出てくるからなのかなあ。
「くうねるところにすむところ」の園部さんの、清楚なスカートからのぞく太ももとか、
「まちがいはありません」の義姉が妹の旦那のためにつける口紅とか、
「サーフィス・テンション」のみさちんが、彼氏に言われて伸ばしてみる脇毛(これは正直エロすぎた・笑)とか。
絵柄も作風も、同じなんだけど。



根岸君のボンクラなかわいらしさや、鶴崎君のかっこよさや、妹尾君のなんともいえないいとおしさなんかは、BLでも味わえるんだけど、
女性キャラクターのかわいさ・やらしさ・得体の知れなさもまた、捨てがたい魅力である。
BLのほうがときめき度は高いけど。(それはきっと、須磨子さんのBLがときめき100%で構成されてるからだと思う)
違いを読み比べてみるのも楽しいです。



この「あたたかい肩」は、全部で9つの短編を収録した作品集。
以下は、そのうち気になった何作品かの感想です。



・「保健室のせんせい」
何だかんだで変態ぽいおはなしなのだけど、一番好きなおはなし。
こんな保健の先生、学校にいてほしいようなほしくないような。ムッツリな感じがたまらないような(笑)
収録されてる中ではこれが一番古くて、2002年の作品なのだけど、今と絵柄がほとんど変わってなくてびっくりです。



・「青緑を飲み干す」
一番読後感のよかったおはなし。タイトルのとおり爽やかだし、あとがきの言葉のとおりやさしい気持ちになる。
あの場面で、自分を好きな人間がこの世にいる、ってことを知って、鶴崎くんはどんなにか救われただろう、というようなことを思った。
ゆうちんはきっといい女になるんだろう。



・「あたたかい肩」
よくわからないおはなし。
けれど、もたれた先の肩があたたかかったらそれはすごく幸せだろうと思う。
もう10年ぐらい泳いでないけど、濡れた水着を脱ぐときのぴっちりした気持ち悪い感覚を思い出しました。




「のはらのはらの」の感想はこちら(BLです)
「かよちゃんの荷物」の感想はこちら→1巻2巻(非BLです)
「幾百星霜」の感想はこちら(非BLです)
「こめかみひょうひょう」の感想はこちら(BLです)
「猫が箱の中」の感想はこちら(BLです)



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