終わりなき ~堂場瞬一「ラストダンス」


↑ 試し読みできます♪


 「真田劇場の幕開けだよ……樋口劇場かもしれないけどな」



あ~おもしろかったー!



プロ野球<スターズ>の同期、真田誠と樋口孝明。その野球人生は常に対照的だった。
ドラフト二位で即戦力と期待された樋口はついにレギュラーを奪えず、真田はドラフト五位から球界を代表するスター投手へとのし上がる。そして今季、球界最年長・40歳の二人に引き際が訪れた。
二軍監督要請という形で引退勧告を受けた樋口に対し、真田はシーズン半ばで突然引退会見を行う。
ところが引退宣言以降の登板で真田は連勝、低迷していたチームも優勝争いにからむ快進撃を始めた。
シーズン終盤、正捕手の負傷で一軍に昇格した樋口と真田に17年ぶりのバッテリーを組む日が到来する……。
(Amazon内容紹介より)



あらすじは上のとおりなのですが、この真田と樋口、40歳の二人にとにかく魅了されました。
同期で入団しながらも親しく会話を交わしたことはなく、
一度だけバッテリーを組んで大敗してからは、お互い接点を持とうとしなかった二人。



気力にも体力にも衰えを感じていた真田が、引退宣言後、見違えるようなピッチングをし始めたのは、最後の試合に「あれ」を達成しようとしていたからだ。
聞いた誰もが一笑に付すような、荒唐無稽な「あれ」を。
その達成に向けて着々と勝利を重ねようとしていた矢先に、樋口が二軍から一軍へと昇格してくるわけです。



もう、すっごい盛り上がった!(笑)
で、おおっこの二人がいよいよバッテリーを組むのか! と意気込むんだけど、真田には別の専属キャッチャーがいるので、最初は組まないんですよね。
でも、最後にはやっぱり、樋口はマウンドの真田に向かってミットを構えることになるのでした! そうこなくっちゃ!



選手のピークを過ぎた壮年の二人が、プロとして培ってきた経験と技を惜しげもなく使い果たして、最後のダンスを踊ってみせる。最高の幕切れを、観客に魅せるため。
引退試合となったペナントレース最後の一試合の、心理描写がこの作品の白眉です。ぞくぞくして、神懸かってて、熱狂がそこにはあって。
ラスト、と言いながらも終わらないのも良かった!!



登場する人物に皆、どことなく品があるのも好きです。
ヤなやつとかも出てはくるんだけど、どこか憎めないのだよな。
真田も、自分勝手でクレバーで虫の好かないやつだけど、すっごいかっこいいんだよな。樋口の真田に対する気持ちも、私と同じな気がする。



実際ないだろうし、別になくてもいいんだけど、
もし万が一「おおきく振りかぶって」が小説化されることがあったとしたら、
ぜひ堂場さんにお願いしたいものだなあと思いました。
きっと試合中の選手たちの心の動きを、これでもかってくらい生き生きと、臨場感たっぷりに描き出してくださるだろうなあ、と想像してみるだけでも楽しかったです。



「大延長」の感想はこちら
「チーム」の感想はこちら



「大延長」、そろそろ文庫にならないかな? なったら買う!!!


 



この記事へのコメント


この記事へのトラックバック

堂場瞬一『ラストダンス』
Excerpt: ラストダンス堂場 瞬一実業之日本社このアイテムの詳細を見る 今回は、堂場瞬一『ラストダンス』を紹介します。引退間際の同期入団の二人の選手(投手:真田、捕手:樋口)の最後のあがきなんでしょうね。この二..
Weblog: itchy1976の日記
Tracked: 2010-12-16 23:09