真っ直ぐな ~緑川ゆき「夏目友人帳」10巻

夏目友人帳(10).gif


なんということでしょう! 夏目がもう10巻に。
3巻越えのときもうれしかったけれど、2ケタになっちゃいました。
たくさん、たくさんの人に愛される作品になりました。
変わらないでいてくれてありがとう。



後半の、月分祭の話もすっ…ごく好きだったのだけど(名取さん!柊!斑様!夏目の笑顔!)、
やっぱり10巻は、柴田と村崎の話がいちばんでした。



自分の好きなあの娘は、人ではないのかもしれないと怖れる柴田、
会えば楽しくて、人の子と心を繋げてしまった山藤の精・村崎、
二人が悲しい結末を迎えぬよう、奔走する夏目。



最初は人間の少女に見えた村崎が実はあやかしで、柴田を食おうと狙っているのだと知った夏目は、
慌ててそれを柴田に伝えに行くが、
柴田からは「なんで今さらそんなことを言うんだ、やっぱりお前は嘘つきだ」と
強い言葉を投げつけられてしまう。



私だったらどうしただろう…って思うのですよね。
一番痛い、一番言われたくないことを言われて拒絶されて、それでもその相手のために必死になれるだろうか。
知り合ってすぐの人間のために、心を砕けるだろうか。
夏目のように。



「そこまでしてやる義理はないぞ」というニャンコ先生に対して、夏目はこう答える。


「塔子さんや 西村達に話せないことがあっても
恥じるようなことはしたくない」


それは自分の中の、自分だけの秤だ。
こんな風に言い切ることのできる夏目を、本当に恰好いいと思う。



ひどく不器用で、でも真っ直ぐな夏目の思いと頑張りが、
柴田の手を、村崎の手へ届かすのです。届くんです。



ありがとうの言葉と笑顔だけを残して、
夕空に、溶けるように消えた。
村崎が溶けた空は、昼から夜へと、むらさき色に染まったのかな。




「いちばん切ないあやかし譚」という惹句は、
けして誇張ではないと、そう思いました。




9巻の感想はこちら



 



この記事へのコメント

  • 三森さん こんにちは!
    この前おお振りの記事にコメントした銀です~(^^)

    遊びに来たら夏目の感想がUPされていたので『おぉ‥!』と思いコメントしました(笑)

    夏目も読まれてるんですね~! 私も半年前くらいに大人買いしたばっかりで(笑)大好きなので嬉しいです♪

    今回も良かったですね‥(T_T) 読み終わった後もじんわり来る感動がたまりません! 緑川先生の描き方ってうまいなぁ~と惚れ惚れです。

    ところで柴田の外見が利央に見えてしまうのは私だけですか?(笑)

    あ( ゜Д゜)コメントするタイミング逃してしまったんですが、おお振り15巻もしっかり読みました! 簡潔に言うと『西浦バッテリーーー!!(涙) そして全体的に花井ーーー!!』という感じで、非常に良かったです(^^)

    長々とすみません;
    ではまた!\(^O^)/
    2010年07月13日 14:31
  • 三森紘子

    銀さんへ

    こんばんは、コメントありがとうございます!
    また来ていただけてうれしいです^^

    夏目、私も大好きなんです…!
    読むと心が澄んでいくような気持ちになる、ほんとに素敵な漫画ですよね。

    >ところで柴田の外見が利央に見えてしまうのは私だけですか?(笑)

    ああ、そういえば!(笑)
    ウェーブヘアーにタレ目…利央ですね! 背も高そうだし…
    そう言われると、そうとしか見えなくなってきました、困ったなあ(笑)

    おお振り15巻も、読まれたんですね!
    あのあとどうだったかな~と思っていたので、教えてくださってありがとうございます^^
    そして、「全体的に花井ーーー!!」という感想がなぜかツボに入りました(笑)でも、その通りです!

    それではまた☆
    2010年07月13日 23:01
  • とも

    こんばんは

    おおう、間に合わなかったです。
    昼間覗いた時に、夏目の感想が載っていたので、
    コメント書きたいって思ってたのですが、
    時間が出来たのがこの時間・・・次の日記が入っちゃってました(泣)

    エチケットとしては違反してるかもしれないですが、すみません。

    私も『夏目』読んでいます。
    かなり気に入っている漫画なので、いつでもすぐ読めるところに置いてあります。

    空と雲の表現の仕方が本当に素晴らしいなあと、
    毎巻思います。とにかく、絵がいい!

    柴田と村崎の話は、『夏目』らしいお話でしたね。

    私は名取さん好きなので、月分祭は嬉しかったです。(ちなみに的場さんが出てくるのはイマイチです)

    竜みたいなケモノを追いかけてしまったナツメを
    「夏目・・・また・・・」
    と有無をいわさぬ迫力と笑顔で怒ってみたり・・・。

    「希少で優秀な助手が欲しくてたまらない」
    けど、「大切な友人も失くしたくない」

    のくだりが、私の中での10巻ベストシーンです。

    どちらのお話でも、力の弱くなった妖をみるのは辛いです。妖らしい潔さが余計に切なく感じられます。

    今回は、オマケのマンガが無かったのが、少々寂しかったです。

    あとがきの、夏目が田沼とタキに「悪いやつではないけど嫌なやつな友人ができた」と愚痴るシーン、漫画でみられたら嬉しかったなあと。

    田沼は、自分のことは棚に上げて「夏目はややこしい知り合いが多いよな」とか言いそうとか、
    タキは、頭に???と浮かべながら、「嫌なのにトモダチなの?」と首を傾げてそうとか、勝手に想像しています。

    11巻は来年ですか・・・楽しみですね。
    では、お邪魔しました。
    2010年07月15日 00:19
  • 三森紘子

    ともさんへ

    こんばんは、コメントありがとうございます!
    いえいえ、コメントをくださるのは、いつでもどんな時でもうれしいですので、タイミングはどうぞお気になさらないでください^^すごく昔の記事にコメントをくださる方もいらっしゃいますので^^

    >空と雲の表現の仕方が本当に素晴らしいなあと、
    毎巻思います。とにかく、絵がいい!

    わああ~っ、ですよねー!!
    私も空の描かれ方がすごく好きなんです!
    この10巻を見るだけでも、明るい昼間から夕暮れへ、そして夜へ…という時間の経過が、白黒なのに見事に表現されていて、見とれてしまいます。

    名取さんは私も好きです。(的場さんもまあ…わりと好きです・笑)
    名取さんはずっと闘っている人なんだなあと思います。ずいぶんいろんなことを、一人で背負いこんでいそうで。
    夏目の存在が、お互いの助けになっていくといいなあと思います。
    柊との関係も、何だか切なくて好きです。

    >あとがきの、夏目が田沼とタキに「悪いやつではないけど嫌なやつな友人ができた」と愚痴るシーン、漫画でみられたら嬉しかったなあと。

    うふふ、情景が目に浮かぶようですね^^
    あの3人が仲良くしていてくれるとすごくうれしいです。

    今回はオマケがなくて残念でしたよね。
    でも最終ページの水にちゃぷんと浮かんでいるニャンコ先生と、先生のぬいぐるみをいそいそと作っているタキちゃんのカットはかわいくてお気に入りでした。

    11巻もとても楽しみですね♪またお話ができたらと思います。
    それでは☆
    2010年07月15日 21:57

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