カーテンのむこう ~今日マチ子「センネン画報」




ほうぼうで大絶賛の今日マチ子さん。
気になってたけど、誰か通な人が持ってるんじゃないかと思って今まで買わずにきました。
そしたらやっぱりいた! 職場の人に貸してもらって読みました。



帯で森見登美彦氏が、「こんなにどきどきするのはなにゆえか!」とコメントしてらっしゃいますが、
私、わかっちゃいましたよ森見さん。なにゆえどきどきするのか。



制服に裸足。



これです。
誰が何といったってこれです。



普段は靴下と靴に守られたその部分が、さらけ出されることの無防備さ!
加えて、それを出せるということは、ムダ毛の処理もかかとのケアも怠りなくやっているし、ニオイの対策も万全であるということの証左なのである!(こっそり透明のペディキュアだって塗っているかもしれない)
そういう、無防備さと隙の無さが同時に押し寄せてくるところに、私はどきどきします。(森見さんも同じかどうかはわからないですが)
これらは女子の裸足に関して言えることで、男子の裸足については、ただただ無防備なところにどきどきします。



それからもういっこ。



カーテンで目隠し。



これです。
これったらこれです。



今日マチ子さんは、カーテン越しの魅力をよーくわかってらっしゃって、この作品の中にもそんなシチュエーションがたくさん出てきます。
あるときは一人で、あるときは二人で、またあるときは名前のない何かと、カーテン越しに密やかな交流を。
カーテンのむこうにはひみつがある。



ああ…思い出す、教室の無個性な白いカーテン。いったいあれは洗濯されていたのだろうかと疑問の残るカーテン。
日差しをやわらかくさえぎってくれるけれど、風の強い日は窓際の生徒の視界を妨げるのに一役かっていたカーテン。
あれにくるまった思い出は大抵の人にあるのではないだろうか。
仲の良い誰かと、教室の皆から自分たちを隔離して、内緒話に興じたことも、多くの人があるのでは。



あんな風な使い方は、教室以外のカーテンではしたことがないのは何故だろうか。
教室のカーテンは、どこか何か特別だった、そういうノスタルジーが刺激されるどきどきもありました。



この「センネン画報」という作品も、カーテン越しにやわらかな光を浴びているような、
うっすらと眩しく、穏やかで、そしてエロティックな作品集であるとも思いました。



あと、制服にマフラーも良いですよね!
階段の上から君を見下ろす…という構図の、「朝」が好きでした。



いつも個人的な感想しか書けないけれど、今回はいつにもまして個人的な感想になった気がする。
引かれていないか少し心配です。



 



この記事へのコメント

  • 日月

    センネン画報、読んでいると、なんだか普段は意識していない胸の奥をくすぐられたような、切なくてくすぐったい思いが湧き出します。

    カーテン…!そう、わたしもカーテンの描写が好きです。私も学生時代、こんなふうにカーテンの奥に何かを隠してしまいたかった。それとプール。こんなふうに自己を沈めてみたかったんです。昔。

    センネン画報はエロスと死が絵の端々に垣間見れるところが、心をつかなんで離さない理由のひとつだと思います。続編の「センネン画報2」はオールカラーなのでこちらもおすすめです。ぜひ(^^)
    2010年11月26日 01:28
  • 三森紘子

    日月さんへ

    コメント&トラックバックありがとうございます☆

    >センネン画報はエロスと死が絵の端々に垣間見れるところが、心をつかなんで離さない理由のひとつだと思います。

    エロスと死、まさにそうですよね。日月さんの「カーテンに隠してしまいたかった」「プールに自己を沈めてみたかった」というのも、死に惹かれる気持ちのひとつで、
    誰もが持っているそういう気持ちを誘発させる何かが「センネン画報」にはあるのかなぁなんて思いました。

    「センネン画報2」はオールカラーなんですねー!
    途中から白黒になっちゃって残念~と思っていたのでうれしい! ぜひ読んでみますね^^
    2010年11月27日 12:17

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「センネン画報」 今日マチ子
Excerpt: 王様のブランチ等で話題となっていた今日マチ子さんの 「センネン画報」を読みました。 エロスとタナトス、ノスタルジックが入り混じった、 なんとも不思議でこころをつかまれる作品でした。 高校時代は、人生..
Weblog: 日々の書付
Tracked: 2010-11-26 01:19