へんてこだからあったかい ~小田扉「しょんぼり温泉」1巻




ジャンプコミックスなので、扉先生の「著者の言葉」があるのがすごく新鮮! 「ともお」にはないからねえ。
みんなそれぞれいっしょうけんめい生きているのに、いやそれだからこそどこかへんてこで味わい深い、扉ワールドはここでも健在です。



 ここは寂れた温泉街「諸掘(もろほり)温泉」。
 お客の姿も活気もなくなったこの街で、淡々と日々を送る大人達。一方、街の再興に燃える子供達が一生懸命空回り。
 そんな温泉街のほっこり、まったりな日常を、ご堪能下され!
    (裏表紙より)




よく登場するのは食堂の娘まきちゃんだけど、彼女が主人公というわけでもなく、諸掘の町の人々のいろんなエピソードが順々に描かれていく。
それぞれが関係のない人生を送り、けれども一つの同じ町に住んでいる、
そんな当たり前のことが、なんだか少し不思議に思えてきます。



お客が来なくて、商売もはやらず元気をなくした温泉街。
タイトル通り、全体的に「しょんぼり」な話であるはずなのに、何故かしら可笑しさやあったかさが込み上げてくるのがほんと不思議。
食堂に飲みにやって来たラーメン屋の兄さんが、「自分の店の売り上げかんばしくないのにあんまり飲み歩いちゃだめよ」と言われて「さみしいんだ」と答えるところとか。
なんか微笑んでしまうんですよね。
ホテルまつばのおじさんとかも、お客が目当てにしてくる猪肉を売って代わりに牛肉仕入れてきちゃったりするダメダメさなのになー。



なくなった観光名所を復活させようとして、まきちゃんの子分のチビたちが作った「像」が、夜の雨でどろどろに崩れてしまうところが好きでした(笑)
ともお17巻の底無し沼といい、像がひどい目にあう話がなぜかツボなようです、わたし…
「しまもり」と「ふじもり」でのれんを分け合う話も好き。
神下祭りの話もいいなあ。清貧と野心の両立を、実践してるお父さんはすごいよね。
ご神体がGのつくアレになっちゃったのには笑った…



一番好きなのは成田くんと神平さんの話です。
うわー純愛じゃないかー! きゅんときた…きゅーんときた…
カラー口絵の2ページ目も、初見は「???」なんだけど、この話を読んだあとに見返すと途端に感動的なものへと姿を変えます。これはちょっと、見事。



2巻も楽しみだなあ。「ともお」以外にも続きものを待てる幸せ!



作者さんつながりで
「団地ともお」17巻の感想はこちら
「前夜祭」の感想はこちら
「マル被警察24時+」の感想はこちら


 



この記事へのコメント


この記事へのトラックバック