本当の自分はいない ~吉田修一「パレード」




何だろう?



初・吉田修一でした。名前はよく聞いていたけれど、どういうものを書く作家さんなのかは知らないまま、
何となくおもしろいかなと思って何となく読んでみた。



なんか気持ち悪い、なんかひっかかる。
ヘンに後引く小説でした。



思ったのは、本当の自分なんてものはどこにもないだろうということ。
誰かといるときの私も、一人でいるときの私も、どっちも嘘じゃないし、本当がひとつしかないなんてことは、きっと現実ではありえない。



解説で川上弘美さんがおっしゃっているのと私も同じ意見で、これは「こわい」小説だけれども、それでも五人のことは好きだったりする。
そんなふうに「好きだ」と思ったりすることのほうが、本当の自分について考えるよりずっと大事なことな気がする。



うん、でも、何だろう?
すごくスッキリしない。
しばらくしてから、もう一度読み返したい小説でした。
そのときの私が、今と同じ読後感になるのかどうかを知りたい。



映画化されていますが、きっと映画版のほうが、
この「何だろう?」っていう感じが薄いんじゃないかなと思います。
直輝役が藤原竜也って時点で、何となく予感めいたものが浮かぶというか…。
機会があればそっちも観てみたいです。
他の吉田作品も、読んでみたいです。


 



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