この人の著作を全部読もうと決める ~桜庭一樹「少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記」




「ゆっくりと回復していく。現実にもどってくる。あとは締め切りごとに、あの世界に戻ればいいのだ、と思うとほっとする。」(本文より)



こういう日記を書く人の小説は、全部読みたくなるよなあ…。
もちろん読者を想定して書かれているので、まったくのプライベートな日記というわけではないけど。
日記なのに続きを早く読みたくて、狂おしい気持ちで日中仕事したりしていました。
おおお、おもしろい。



小説家であり稀代の読書魔である桜庭一樹氏が、もりもり本を読み、もりもりごはんを食べ、もりもりと本についてしゃべる日々。
ほんとうに、息をするように本を読まれるお方です…
ご家族の出てくるエピソードが一番面白いところは、三浦しをんさんのエッセイと共通してますね。



読書魔であると同時に小説家である桜庭さんは、もちろん小説も書きます。
仕事をするために、つまり小説を書くために、本を一切読まなくなって、音楽ばかりを聴いてはこれから書こうとする「世界」を探す描写に、圧倒されました。
ごはんもあまり食べなくなるから「冬の野良猫の如く」げっそり痩せてしまうんである。
そんな風にして世に生み出された本たちを、ますます読みたくなる。



そして、桜庭さんが自分で読んだり、話題に出てきたりした本が欄外で逐一紹介されているので、
それらをもことごとく読みたくなって仕方がなくなる。
でもその大半は、きっと読まないままだ。
なぜって翻訳ミステリが多いから、そして私は翻訳ものが苦手だから…
時々チャレンジするんだけど、挫折することのほうが多いんです…



でも、「読んでみたい」と思わせてくれる紹介は、それだけで価値のあるものだと思いませんか…?
たとえ読まなかったとしても、「これ読みたい!」と思うことは、それそのものが楽しい。楽しいからいいのだ。…と(ムリヤリ)思う。
とりあえず私は桜庭さんの著作をまだ3作品(砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない・青年のための読書クラブ・少女七竃と七人の可愛そうな大人)しか読んでいないので、残りを片っ端から読んでいこうと決意した所存です。



「わたしは普段、本や映画を選ぶときに、人が薦めるものをなるべく入れるようにしている。
自分の選択だけだとどうしてもかたよって、その場所がせばまっていってしまう。せばまり続けるとちいさくなって完結して、そうなったら、死ぬ。」
(本文より)




「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の感想はこちら


以下は文中に出てきた本で読みたいと思ったタイトルリスト。自分用メモです。



・パット・マガー「四人の女」「被害者を捜せ!」(創元推理文庫)
・笹公人「念力家族」「念力姫」「念力図鑑」(インフォバーン/ベストセラーズ/幻冬舎)★
・吾妻ひでお「失踪日記」(イースト・プレス)
・アゴタ・クリストフ「悪童日記」(ハヤカワepi文庫)
・倉橋由美子「夢の通ひ路」(講談社文庫)
・森銑三「新編 物いう小箱」(講談社文芸文庫)★
・ジョン・ディクスン・カー「グラン・ギニョール」(翔泳社)
・バーバラ・ヴァイン「長い夜の果てに」(扶桑社ミステリー)
・北村薫「紙魚家崩壊――九つの謎」(講談社ノベルス)
・川村邦光「オトメの祈り――近代女性イメージの誕生」(紀伊国屋書店)
・森薫「エマ」(ビームコミックス)
・橋本治「女賊」(集英社)
・鹿島田真希「二匹」(河出文庫)
・紺野キリフキ「キリハラキリコ」(小学館)★
・リチャード・マシスン「奇術師の密室」(扶桑社ミステリー)
・恒川光太郎「雷の季節の終わりに」(角川書店)
・新野哲也「どこかに神様がいると思っていた」(新潮社)
・レジナルド・ローズ「十二人の怒れる男」(劇書房)
・齊藤史「齊藤史全歌集」(大和書房)
・佐々木丸美「雪の断章」(創元推理文庫)
・吉屋信子「屋根裏の二處女」(国書刊行会)



★マークのは、中でもぜったいに読みたいやつ。


 



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