人はパンのみにて生きるにあらず ~三浦しをん「妄想炸裂」




図書館に行って、しをんさんのエッセイが棚に並んでいればとりあえずそれを借りる、ということを繰り返しているので、
もうどれを読んでどれを読んでいないやら、時系列もめっちゃくちゃ、という塩梅でございます。
これも、羽海野先生のキュートな表紙イラストに見覚えがなかったので、たぶん読んでへんやろ!とアタリをつけて借りてみたところ、やっぱり読んでいない分だったのでよかったです。



奥付を確認してみたら2001年刊。おぅ…。
2001年がもう十年前なんだという怖ろしい事実に気づいてしまったりしつつ(何しろ「羽海野チカの『ハチミツとクローバー』が面白い、まだ1巻しか出てないけど」なんて記述があったりするのだ)、
いつも通り楽しく読みました。



作家業も駆け出しの頃ですので、古本屋のバイトもまだ続けてらっしゃるんですね。(よく登場する「あんちゃん」はバイト仲間だったのか!)
仕事中にオレメン(「俺的メンズノンノ」の略)に載せる俳優選びで盛り上がったり(そしてそのチョイスが森繁久彌だったり三船敏郎だったりエノケンだったりする)、
「頭文字D」にツッコミを入れたら店の男性陣から親の敵のように糾弾されたり、
花粉症のため発声がままならず、レジの対応が「でぃびゃぐでぃぢゅうえんでず(220円です)」になったり、
「刺激は何もない」と言いつつも楽しげな日々を送ってらっしゃいます。
偏屈なじいさんと化してすべてのものに腹を立てまくろう、…という妄想話がめちゃくちゃ面白かった…。



皆さんの盆栽熱がその後どうなったのか気になる(どこかのエッセイですでに書かれているかもしれないけど)。
電気毛布に「カルロ」と名づけ、もうあなたなしではいられない! ととろけてみせるしをんさんが素敵です。
それから、好きなバンドのボーカルが花村萬月が好きだからって「萬月になりたいわ」と言いだす友人Yちゃんも素敵です。



明らかに「風が強く吹いている」の元になったと思われる箱根駅伝ホ○妄想話もあったりして、「うををーい、しをんさーーん!?」と思わず紙面へツッコミを入れつつ(笑)
この日の妄想がかの傑作につながったのだと思うと感慨深いですよ! でもまあ、予定通りのホ○小説にならなくてよかったなあ、それはそれで面白かっただろうけど(笑)



火炎放射器で庭の雑草を焼き払っていたら自分の家まで燃やしてしまったというお祖父さまの逸話がすごいです。
えらい惨事だったと思うけど…そしてお気の毒だけど…どうしてもおかしさのほうが先に来るのをどうかお許しくださいませ。個人宅で火炎放射器って。どんな豪気なおじいさんなんだ…!



「桃色トワイライト」の感想はこちら
「ビロウな話で恐縮です日記」の感想はこちら
「風が強く吹いている」の感想はこちら







文庫版の表紙もかわいいなあ。



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