両手で頬をパンパン!と叩いて立ち上がった ~羽海野チカ「3月のライオン」6巻





 「戦っているんだ
 ――みんな たったひとつの
 小さな自分の居場所を
 勝ちとるために」



「3月のライオン」の新刊を読むと、読んだその日は何も手につかなくなります。
ひたすらボーッと反すうして、そして反すうし疲れて眠るのです。



読んでいる最中は、面白いとか泣くとか笑うとか、すごいとかひどいとか、かわいいとかかっこいいとか、 わかるとかわからないとか、くるしいとかやさしいとか、いろんな感情がうずまくのに、
読み終わってしまっても、それらはどこにも行き場がないみたいに頭の中にとどまって出てきてくれない。
何にも感想が出てこない…誰かにも言えないし書けない。
出したらすべてがウソに、陳腐に、台無しになってしまう気がする。



7月22日の朝日新聞にライオン6巻の広告が載っていたので、それを見ました。
私の住んでいる地域は島田さんの絵でした。島田さんに宛てた読者からの手紙も一緒に載っていました。
そのあとHPで他の4種類の絵と手紙も見て、賞には選ばれなかったけど公開されている他の手紙も読みました。



みんなみんな、自分のこととしてこのマンガを読んでいるんだなあと思った。
零くんやひなちゃんたちに向けて書かれたそれらの手紙は、その実、自分自身に向けて書かれているようにみえた。
そこは、共有しなくてもいいし、たぶんしたくてもできないと思う。
一人一人の心の中に、その人だけの「3月のライオン」があるのです。
それでいいし、それがいいんだ。
私は私の「ライオン」を、これからも胸に住まわせていこう。



そう思って私は、涙でずくずくになった顔をなんとかキレイに拭いて、
両手で頬をパンパン! と叩いて立ち上がった。
また明日を戦うために。




5巻の感想はこちら





蛇足その1
たとえ滞在時間が2時間しかなくても、往復6時間かけて京都まで取材に行かれたという羽海野先生。
誰かに頼んで写真だけ撮ってきてもらう、とかそういうのでは多分ダメなんでしょうね。そういうところを尊敬します。



蛇足その2
こんな、「感想なんて…無意味だ」みたいな感想を書いてしまいましたが(笑)、 皆さまの抱かれたご感想はとっても知りたいので、もしよかったらコメントいただけるとうれしいです。



蛇足その3
…あああブンちゃんかわいいいー! 天使! 天使!!



 



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