輝ける星 ~羽海野チカ「スピカ 羽海野チカ初期短編集」




2000年~2004年に発表された短編をまとめた一冊。
ハチクロ初期の頃の雰囲気が漂っていて、懐かしくなるとともに、一方では全然お変わりないんだなあとうれしくなりました。



キオの物語二編がとってもとってもかわいい!
まさに子どもの頃に読んだ「少年探偵シリーズ」のイメージですね。犬のクルタン(かわいい!)とかは外国の絵本みたいでもあるし。
探偵さんも警部さんたちも粋な大人だあ!
BL風味の「夕陽キャンディー」は、羽海野先生のこれまでのどのお話よりもキラキラしてて照れました。野宮くんの眉間のシワがいい。
「はなのゆりかご」のトゲ谷博士とモリーのお話が、収録作のなかで一番好きです。



 「泣いてもやめられないほど好きなものがあるってのはさ きっとすごいことなんだぜ」



ケガで試合に出られなくなっても野球を続けている高崎くんが、反対されてもバレエを続けたい美園さんに言うセリフ。
高崎くんが言うからこそこの言葉は力を持つのだし、
もっと言えば、羽海野先生が描くからこそこの作品はこんなにも心に沁みるのだろう。
羽海野先生にもきっと、一番星のように輝く「泣いてもやめられないほど好きなもの」があるから、だと思います。
この二人は「ライオン」のひなちゃんと高橋くんの原型なのだそうですが、ひなちゃんたちもこの二人みたいな関係になれたらいいねー。



二番目に好きなのが、ジブリの雑誌(?)に掲載されたという「イノセンスを待ちながら」。
押井守監督作品について書かれたエッセイ漫画なのですが、本屋さんやビデオ屋さんに行ったときの気持ちを、
「あんまりに沢山のタイトルがびっしり飛び込んでくるので頭の中がボーッとして どれでも好きにみれるハズなのになぜかどれも選べなくなるのです」
と書いておられたのに、激しく共感しました。
透明な容器となったウミノさんの中に、しずくがどんどん溜まっていくという表現にもしびれた。
パトレイバーも攻殻機動隊も私は観たことがないのだけど、自分の好きな作品のことをこんなふうに書けるなんてすごいな、いいな、と思いました。



ページ数が少ないこともあってか、大判なのにリーズナブルなお値段なので、羽海野作品未読の方はお試しに買ってみてもいいかも。
ちなみに印税はすべて東日本大震災の義援金とされるそうです。読むならぜひ新品で。



「3月のライオン」6巻の感想はこちら
「ハチミツとクローバー」の感想はこちら


ところで全然関係ないですが、幼少期の刷りこみにより「スピカ」と聞けば即座に「サリーちゃんの星!」と言いたくなってしまいます(笑)



 



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「スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜」 羽海野チカ
Excerpt: なんてかわいい物語なんでしょう!(//▽//)「スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜」は、羽海野チカさんが2000年〜2004年に発表された短編をあつめた作品集です。 読むとほっこり幸せな気分になれます。..
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Tracked: 2011-08-07 16:15