祈りに似た気持ちを知っているよ ~なるしまゆり「少年魔法士」14巻





 「――…祈りに似た気持ちを知っているよ
 それが瞬間でも ほんの刹那でも
 それが人間の永遠だとオレは思っているよ」




「少年魔法士」の感想を書ける日がやって来るなんて…
初めて1巻を読んだのは中学生のときでした。今もなお心のどこかに棲み続けている「少年魔法士」、待望の新刊です。



最新刊が出る前に、すべり込みで大慌てで既刊を読み返しました。
13巻、めっちゃ気になるところで終わってたじゃんー!
昔すぎて忘れてしまっていたのでよかった(?)けど、この状態で6年近くも刊行が止まってたなんて、ほんとにご無体なことだったわと改めて思った。
何にせよ再開したんだから、こんなにうれしいことはない!



ええっと、一言で説明できるはずもないオハナシです。(オイ)
ウィキペディアとかにわかりやすいあらすじが載ってないかなーと思ったけど、見つからないので省略してもよろしいでしょうか…!(オイオイ)
前にも何度も書いたけれど、私は主人公の一人のカルノ・グィノーがとても大好きなのです。
「こういうところが好き」とか限定的なものじゃなくて、ただもうどうか笑ってほしいし、辛い思いをしないでほしいし、誰かと一緒に生きていってほしいと願ってやまない存在です。



場面では、カルノともう一人の主人公勇吹(イブキ)が夜の神社でドンパチやるところから、朝が来るまでのエピソードが特に好きです。大好き。
死んだようになってグラングランに乱れて乱れて、そして立ちあがる。「俺が俺を選ぶ」というカルノの言葉は、何度読んでも私の胸を奮わせてくれます。



生き物の体は普通、免疫機能により他者を排除するようにできているんだけど、
カルノは、自己と他者の区別をつけることができない。
どんな他者でも受け入れるし、何とでも融合して、自分のものにしてしまう。
たとえそれが人でも、悪魔でも。「悪魔憑き」と呼ばれる所以である。



だから、カルノをカルノたらしめているものは、カルノの意志と、彼を「カルノ」と呼ぶ人たちの存在に他ならなくて。
それは誰にでも言えることなのかもしれないけれど、自己と他者の境界線がとても曖昧なカルノにとっては常に意識しておかなければならないもので。
病院の悪魔を「喰った」とき、髪の毛になってしまったカルノの手足を、神霊眼の能力を持つイブキが元通りの形に治すんですが、
これってとても大事な意味を持つように思う。



※1~13巻が手元にないので何もかもうろ覚えの説明ですみません。そしてカルノの話ばっかりですみません。



 「魂って何?
 心は ……人は そこにいるの?」



14巻で(ネタバレ)あの人をも「喰って」しまったカルノが、これからどうなってしまうのか、
まったく予測のできない状態ですが(なるしまさんの漫画はいつも大体そうだけど)、
うーんでも、なんか大丈夫な気もする。イブキがいるから。
なんでなのかな、すんごい大変な、深刻な事態になっていってることは確かなんだけど、
カルちゃんとイブりん(←by ぷりちーナギちゃん・笑)が一緒なら、たいていのことはどうにかなるような、
そんな気がして不思議です。



イブキのイメージしたちっちゃいエーテル君たちがすっごいかわいかった☆ファンシー☆
にょーんにょーんとツノ(?)を伸ばして仕事するアミィちゃんも、なんとも脱力のかわいさであります。





この対になった1・2巻の表紙がとても好き。
1巻がいきなりスプラッタ系で読む人を選びそうなので、
なるしまさんなんでこんなハードルの高い始め方をー? と思ったものですが、
やっぱりこの話はあそこから始めなきゃいけなかったんだな、と今ならわかる気がします。
香港の事件を描かないことには、カルノの物語を描くことはできなかっただろうから。絶対に。



これから読もうかな? と思っている方は、
第二の主人公・イブキが出てくる2巻までまとめて買ったほうがオススメかもしれません。
カルノのことばっかり書いてるけどイブキも大変魅力的な少年ですよ!



15巻はさっそく9月に出るみたい。わああうれしいなー!



 



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