フランケンシュタインの花嫁 ~和月伸宏「エンバーミング」6巻





 「記憶も 正体も 過去もいい
 俺はジョン=ドゥでいい
 先生がいればそれで 俺は十分満ち足りた」



あああなんてことだ…表紙が若き日のピーベリーとジョン=ドゥで、
かつて二人は深く愛し合った仲で、でも今は壊し壊されようとする間柄…!
ピーベリーがあんな風に優しく微笑む日はもう来ない、のか…!? あああ…



何度も何度も思い知らされてますが、この作品は悲劇の物語なんだなあとまたも思い知らされた感じ。
ピーベリーもジョンも、お互いを本当に想い合っているのが表情から伝わってくるのに、
これも全部「今」に繋がっているのかと思うと、どんなに魅力的で、どんなに楽しい日々であろうと、何を見ても悲しい。
(現在進行形の「今」だから、これからどうなるかはわからないけれど、それでもなお)
幼いアシュヒトも、「生前」のエルムもとても可愛らしくて、そのことがまた悲しいのだ。でも、ああ、この幸せな日々は確かにあったのだなあ。



「代わりに私が生きてあげようかな」と、一歩を踏み出したヴァイオレットのその後の話はオマケコラムの「博物誌」で書かれるそうですが、
ってことは本編ではもう描かれないってことだもんねえ…。
それでも、ヴァイオレットの言葉がヒューリーをどれほど救ったことか。この先彼女の物語が、せめて明るさに充ちたものになってくれることを願います。
レイスとも二人のエーデルとも決別を終えたヒューリーは、これで心おきなくただ一つの望み――すべての人造人間を殺すことに、すべてを賭けられるのでしょう。あああ…



続きが見たいような見たくないような…なんとも「あああ…」な気持ちです。
この「見たいけど見たくない」っていうのは、これからもずっと続くんだろうなあ。結局見ちゃうんですけどね。
ポーラールートの街の箱庭のような平穏さや、グロースのケッタイな決めポーズ(笑)がなんだかとっても良かったです。
昔の死体卿(?)の見てくれも、なんだか妙に好き。おそろしいけどひそかにお気に入り。



ところで怪物化したジョン=ドゥの姿は「武装錬金」のヴィクターのセルフパロなのだそうですが、それって…やる意味あるんでしょうか…? わからナイ…



5巻の感想はこちら




 



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