ツジトモ「GIANT KILLING」14~16巻感想

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四ヶ月近く間が空いてしまったり、先に最新20巻の感想を書いてしまったり、いろいろしましたが
やっと続きが書けました…



※先の巻のネタバレも出てくると思うので、未読の方はご注意ください。
それでは↓


 

一冊ごとにではうまく書けそうになかったので、
三巻まとめての感想となってます。



◆14巻




『向こうで欠かせない戦力になって… ここには帰ってこないつもりでやるよ』(石浜修)
『俺達は クラブに雇われてるからプロなのか? 違うだろ』(緑川宏)
『さて 最後にフットボーラー同士の話をしようか』(達海猛)



◆15巻




『お願い…! 誰か… 誰か打って――!!』(永田有里)
『もはやあいつは ETUという枠に留まっている選手じゃないのかもしれない…』(笠野)
『そんなつもりでプレーしたこと… 一度も無いんだけどな…』(達海猛)



◆16巻




『だからお前は 毅然とこのクラブを出て行け
そんでまたよ いつか笑って会おうぜ 達海』(笠野)
『残念だけど仕方ないんだ だから後悔はしてない』(達海猛)
『あれより感動できる光景があるんだとしたらよ 死んじまうにはまだ勿体ねえかもしんねえな』(笠野)






石浜の移籍話は、本当にグッときて、泣きそうになって、
そして泣いてばかりの自分をちょっぴり恥じました。
そうなんだ、泣くことじゃないんだよね。清川も泣かなかったじゃん。
仲良しごっこしてるわけじゃない。プロとプロとの、本気の絆を見せてもらった気がしました。
石浜と清川の友情が、これからもずっと続きますように。



「石浜は俺の子分だからな」「そーなの?」なクロとスギにウケました。黒田軍団? ほんとに存在するの?(笑)
一人だけ腕まくりしやがって…かわいいなクロ…赤崎なんて長袖だよ?(笑)
まくりといえば、その子分発言の次のページで背中とお腹を出してる選手がいますが、これ誰だろう? かわいい…



あとですね、石浜の移籍が決まったと知ったときに、赤崎が真っ先に「出していい選手かどうかの区別もつかねえのかよ」って怒ったところで、
赤崎が決して「自分さえよければいい」と思ってるわけじゃないことがわかってちょっとうれしかった……たぶん。(笑)



平泉監督によって、読者の前に初めて明かされる、タッツミーが若くして現役を退いた理由。
ここで平泉監督は、持田について語りながら、「お前もそうだったんだろう?」とタッツミーに対して言っているんですが、それへのタッツミーの答えというのは結局描かれてないんですよね。
タッツミーの真意は、いったいどのようなものだったのか…
ETUの「旅人」、スカウトの笠野さんに会いにタッツミーが行方をくらましたところで、物語は10年前に飛び。
圧倒的なスター性と実力を持つ若きフットボーラー達海猛の、これでもかっていう華々しい活躍と、誰にもどうにもできないまま歯車の狂ってゆくETUの姿が描かれていきます。



誰よりもETUのことを愛していたのに、それゆえにETUを出て行かなければならなかった達海は、
チームメイトに責められながら、裏切り者とそしられながら、笑ってETUを去った。
笠さんと交わした、「いつか笑って会おうぜ」という約束を胸に抱いて。



どうしてこんな風にならなければいけなかったんだろう。
達海のせいなのかな。圧倒的な華を持つ達海に頼り切っていた他の選手たちのせいなのかな。津川会長のせいなのかな。事態のおかしさに気づきながらも修正できなかったフロントのせいなのかな。
でも誰にもどうにもできず、動いていってしまう運命というのはきっとあるんだと思います。
悪意で動いていた人間は一人もいなかっただろうにも関わらず。後藤さんの言うように、それはなんて皮肉なことなんだろうと思う。



津川会長は本当に達海の大ファンだったのでしょう。
大ファンすぎて、まるでヒーローの活躍を心待ちにする少年のように達海の勇姿を見たくて。笠さんが言ってるとおり。
だからって肩を持つ気には到底なれないですけど。
自分の元を去った達海に対して津川会長がやったことは、とても大人げないしかっこわるいし、
自分の思い通りにならなかった相手に腹いせしてるようにしか思えんし。



ほんとに、この10年前のエピソードを読んでいると、パラパラとパズルのピースが集まってくるようにいろんなことを思い出しますね。
タッツミーが村越に言った「お前はただ いい監督に恵まれなかっただけだ」「前だけ向いてろ」という言葉や、
他からのオファーの話は必ず選手に通すという条件、
石浜はETUに必要な人間だと言いながら、それでも最終的な決断は選手個人の意志を尊重したこと。



タッツミーが移籍する石浜に対してあんなに心を砕いてたのは、
やっぱり選手時代の自分と重ね合わせたんでしょうね。
村越が自ら背負いすぎていた荷物を下ろしてやったのもそうだし、
違うチームの持田のことも、わざわざ平泉監督に尋ねに行くほど気にかけていたし。



自分の足のことでは、「後悔はしてない」ってタッツミーは言ったけど、
クラブがどんどんいびつな形になっていったこと、できたこととできなかったことについて、悔いなかったはずはないと思う。
才能があるがゆえに、自分の思いもしない方向に進んでしまっていること、
純粋にプレイヤーとしてのみ在ることが、どうにも許されない状況…。
じゃあ一体どうすれば良かったのか、何が自分にできるのか…
それを今、タッツミーは実践しているのではないだろうか。
監督となった今、タッツミーは選手の誰にも、けして自分のような思いをさせるつもりはないんだろうな。



3巻でタッツミーが村越に言ったことは、笠さんがかつての達海に言ったことと重なるんですよね。
笠さんの信念をタッツミーは確かに受け継いでいる。
14~16巻は笠さんの再生の物語でもあったように思います。
かつて自分が背中を押してもらったように、今度はタッツミーが躊躇して座りこんでる笠さんの手を引っ張り上げに行ったんじゃないかな。
タッツミーは本当にやさしい人だから。



クラブを木にたとえるなら、土は環境。水はサポーターの声援。
選手は葉。GMは幹。そしてクラブを出てゆく達海の存在は太陽。
そう言って達海を送りだした笠さんは、プレミアデビュー戦で負傷した達海の姿をどんな思いで見ていたんだろう。
そのタッツミーが監督として、ETUにふたたび現れたとき、笠さんはどんな思いでその背中を見たんだろう。



ボールは蹴れないけど、タッツミーは今も楽しんでサッカーやってる。笑ってる。
二人の交わした約束は、きっとこれから果たされる。



それにしても…ああそれにしても…
現役選手時代の若かりし達海猛が、
腰 抜 か す ほ ど か っ こ い い っ つ う の
ああ私が外国人旅行者だったなら…! アサクサで達海にセンソージまで連れてってもらって写真撮ってもらえるのに…! と詮無い夢を描いてしまうくらいかっこよかったですよ。
お好み焼きを星型に焼いてみようとするな(かわいい)! パッカの彼女探しがんばれ!
はあああ…もう…ダイナモのCMを誰か本気で作ってくれ……



そんでちゃんと身体ができてるんだよね(当たり前だけど)。脚も筋肉ついててガッシリしてるし。
ちょっとしんみりしてしまうけど、でも細い身体の今のタッツミーも好きです。



10年前の若々しい皆さんの姿が拝めたのも過去話のよいところでしたね。
現役選手時代の後藤さんが素敵だった…。ほんとに京都に友だちいなかったのかなー(笑)
まだ若さとやる気に満ち溢れていた頃の山井さんがおもしろかった!(笑)
ドリさんはかっこいいし、ゴローさんはこの頃からすでにかわいいし!
達海について回る有里ちゃんは満開にかわいらしいし! クラブを去っていく達海を追いかける姿は泣けるし…
スクール生時代の赤崎はもう…何も言うまい…(笑)



14巻#122の有里ちゃんのファッションが好きです! カジュアルながらキチンと感があって、動きやすくて、
そして仕事ができるという…! パーフェクツ。
「探偵の才能までもあるというのか有里ちゃん…」と月影先生状態(おそろしい子)になってる後藤さんもセットで好きです(笑)私はほんとに好きです、後藤さんと有里ちゃんのセットが。



過去話が終わって16巻の後半(夏のキャンプ編☆)は、うってかわって楽しい・かわいい・なごみまくり! な展開でした。
特に強制的に夏らしいいでたちをさせられる松ちゃんと、暑い暑いと言いながら元気いっぱいなクロのかわいさは異常です…
椿に「ひしょち」と言わせようとするクロがもう最高です。完全にいちゃもんだ。
他にもスイカ割り風ミニゲームだったり、黒豹だったり黒猫だったり、ミスターTだったり、GK世良がかわいかったり、あと後藤さんのジャージ姿!(笑)
笠野さんを見間違えて一喜一憂してる藤澤さんもメチャかわいかった。
楽しそうに(ワルイ顔で)笑うタッツミーのことが、ひときわ目にうれしく映ったのでした。




楽しい練習試合は17巻に続きます。ということで感想も続く。
ここまで読んでくださってありがとうございました!




 



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