ハヤブサとなり虚空を飛ぶように ~上橋菜穂子「虚空の旅人」

「清い、輝く魂を身に秘めたままで、政(まつりごと)をおこなえる方がいることを、わたしは信じます」 うひゃあ! おもしろいいー! とんでもねえ!(頭の悪そうな感想で毎度ごめんなさい) ついこのあいだ「夢の守り人」を一気読みしたばかりなのに、これもまた一気読みしてしまった! 十四歳になった皇太子チャグムが、異国の地で陰謀に巻き込まれるシリーズ第4弾。 今回はバルサたち…

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逢えたこと ~日明恩「ギフト」

とてもとても、読後感がいい。 死者の姿を見、声を聞くことのできる少年と、過去に縛られ、ただ生きることだけをしている元刑事の男。 二人は偶然行き合い、少年に触れることで男もまた死者を見ることができるようになる。 死んでもなお生きている人を案じてこの世に留まる人や、死んでもなお自分に嘘をつきながらどこへも行けない人。 彼らの声に耳を傾け、行動することで変わってゆく二人。 …

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毎日に欲しい ~森絵都「架空の球を追う」

短編集。す~ぐ読めた。 (私にとっては)心に強く残る作品群ではなかったけれど、こういうのを毎日一話ずつ延々と読んでいられたら幸せだなあと思った。毎日毎日、ず~っとず~っと。 表題作と、「銀座か、あるいは新宿か」と、「パパイヤと五家宝」が特に好き。 ぜったい、ご自身か知りあいの誰かの実体験だと思うんだ。 そしてそういう体験を「小説」にすることができるのが、作家の作家たるゆえ…

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教師も所詮人間よ ~湊かなえ「告白」

新井理恵の「×‐ペケ‐」というギャグ漫画に、こんな↓ネタがありました。 卒業で生徒が出ていくんだか、異動で教師が出ていくんだかで、生徒に向かって女性教師がお別れの挨拶をする。 「教師も所詮 人間よ?」 と一言だけ残し、女性教師は教壇をおりる。 生徒の一人が「先生…俺たちのこと嫌いだったのかな…」と心の中で思う。 うろ覚えで申し訳ないですが、大体こんな↑感じだった…

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語っているのは誰か ~恩田陸「きのうの世界」

恩田陸大好きなんだけど、ここ最近は「これぞ!」というヒット作品に当たってないのが残念です。 あまりにも好きなので、自分でも求めるレベルが上がり過ぎている感がある。 そんな思いもあって、期待を込めて読んだ「きのうの世界」。 魅力的な謎の提示、不穏さの演出、クライマックスに向けて飛躍していく展開など、恩田ファンが恩田作品に求めるものがたくさん含まれているので、それは純粋にうれし…

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