話を聞かせて ~劇団ひとり「陰日向に咲く」

図書館で予約をしたのは、一体いつのことだったやら… 予約待ちが数百人規模であったことは覚えている。 待ちすぎて発酵しそうになった頃に、確保のお知らせがやってきた。 というわけで、ようやく読むことができました、「陰日向に咲く」。 メディアが皆絶賛するのも納得できた。 私はどちらかとあえて言うと、大衆的なものには反発し、ややマイナーなものを愛好する傾向にあります(もちろんそ…

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生きてるみたいに生きる ~伊坂幸太郎「グラスホッパー」

これも文庫化にあたり再読です。 よい表紙。ハードカバーのよりこっちが好き。 これは伊坂作品の中では、ちょっと異色なのかな。 帯では「最大の問題作」、解説では「正統のハードボイルド小説」と評されている。 どのへんが問題なのか、何がハードにボイルされているのか、言葉の意味がいまいちよくわかってないのだけど。 妻を殺した男に復讐を誓う「鈴木」、相手を自殺させる能力を持…

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ラストダンスをいつまでも ~原作・脚本/古沢良太 ノベライズ/相田冬二「キサラギ」

「追加発注しましょうよ~、来たら私買いますから~」と文庫担当さんを脅迫(?)して店に入れてもらった、映画「キサラギ」のノベライズ版。 表紙の絵は原作の方が描いてらっしゃいます。似てる! 絵も上手いなんてすごいなぁ。 冒頭には映画のシーンの口絵がたくさん載っているので、映画を観てない人でもこのキャストを頭に描きながら読むことができるでしょう。 これはすごくいいノベライズだと思…

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いろいろあるんだ ~後藤竜二「キャプテンはつらいぜ」

忘れた頃に、「あの日に返りたい」第3弾。 ※注 子ども時代に読んだ本を読み返す、私が楽しいだけの試み。不定期更新。 図書館にはやみねかおるを借りに行ったときに、ふと目にとまったので一緒に借りて帰った。 このシリーズ、好きだったのだ。 たぶん小学校のときくらいに読んでた。 少年野球チーム、ブラック=キャットに危機がおとずれた。 六年生たちは受験勉強で出てこないし…

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タイトルに偽りなし ~岸本佐知子「気になる部分」

この岸本佐知子というお方、ただものではないと思う。 例えば、こんな一文で彼女のエッセイは始まる。 「祖母の家に“お泊まり”するのは楽しかったが、枕の中に日本兵がいるのが少し嫌だった。」 「私は誰にも内緒で口の中に小さな蛙を飼っている。」 「『粒タイプ』のガムがこわい。」 眠れなくて「ひとり尻取り」を実践してみたところ、熱中しすぎて昼間はひたす…

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