強制力 ~辻村深月「太陽の坐る場所」

一気読みしたあと、正直落ち込みました。 胸の中におもりが落ちたよう。なかなか溶けてなくならないおもり。忘れ難い作品です。 高校卒業から10年。クラス会に集まった男女の話題は、女優になったクラスメートの「キョウコ」。 彼女を次のクラス会へ呼び出そうともくろむが、「キョウコ」と向かい合うことで思い出される、高校時代の「幼く、罪深かった」出来事―。よみがえる「教室の悪意」。 2…

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まだ脳味噌が痺れてる ~堂場瞬一「チーム」

また1日足らずでぜんぶ読んでしまった。「大延長」のときと同じで。まいったなあ、この一冊で何日間かもたせようと思っていたのに。びっくりするほど止められなかった。止められないのに、終わらせたくなくて。ああ一緒だ一緒だ。「大延長」のときとまったく同じだ。幸福な読書体験です。 母校代表としての箱根駅伝出場を逃した「敗れた強者」たちのチーム「学連選抜」が挑む二日間、東京~箱根間往復217…

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しなやかで、したたか ~松村栄子「Talkingアスカ」

かわいい話。って言ったら小馬鹿にしているみたいに聞こえてしまうかな。そうではない、そうではないのです。 主人公たちに対して、じんわり愛情を抱きたくなる。そして、かわいいけれどもシビアな目線が根底にずっとある感じが素敵。 表題作の「Talkingアスカ」は、高校生のアスカが電話の向こうの友だちや家族と会話をするお話。 会話をしている相手は登場せず、全編アスカの語りのみで構成さ…

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野暮なことを言いたい ~米澤穂信「遠まわりする雛」

「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」に続く、著者の代表作である古典部シリーズの第4弾。 どうでもいいのですが、二作目の「愚者のエンドロール」を私はかなりの間「患者のエンドロール」だと思っていました。 一字違うだけで一気に不吉で悲しいことになってしまいますね…。中身を読んでやっと間違いに気づいた。 『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないこと…

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お会いしましょう ~穂村弘「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」

天沼のひかりでこれを書いている きっとあなたはめをとじている 「いつか本棚に並べたいリスト」の中にずっとある穂村弘の歌集を、急にとてもとても読みたくなったので、図書館で取り寄せました。 いつかは自分のお金で買うつもりなのですが、いつになるのでしょう。そんな本ばかりがたくさんある。家が本屋だったらいいのに。いやむしろ、本屋が家だったらいいのに。 「このエロカワイイイラ…

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