どうぞ泣いてください ~伊藤滋之「あの実況がすごかった」

 山本 東京・千駄ヶ谷の国立競技場の曇り空の向こうに、メキシコの青い空が近づいているような気がします。 この一文を見ただけで、古くからのサッカーファンはいつの何の試合の実況なのか、わかるんだそう。 (正解は1985年ワールドカップメキシコ大会アジア最終予選韓国戦、NHK山本浩アナウンサー) スポーツTV中継の「実況」に焦点をあてた本です。 そんなにスポーツに詳しい…

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ぶっとびふたたび ~有川浩「海の底」

これも面白かったーっ! こないだ読んだ「空の中」は未知との遭遇…というか、ジュブナイルSF的なにおいがまだあったのですが、 この「海の底」はそれ以上に、硬派なパニック小説っぽい感じですね。 何しろ、体長一メートル~三メートルの巨大ザリガニの大群が、人を食いに海から上陸してくるのだから! 「空の中」に出てくる【白鯨】はまだ人間と意思疎通が可能でしたが、 こっちの【レガ…

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私たちの余生 ~辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」

お久しぶりです、深月さん。 中学二年のふたりが計画する「悲劇」の行方 親の無理解、友人との関係に閉塞感を抱く「リア充」少女の小林アン。 普通の中学生とは違う「特別な存在」となるために、同級生の「昆虫系」男子、徳川に自分が被害者となる殺人事件を依頼する。  (Amazon内容紹介より) ほんとに容赦ないというか、うまい、うまいなあ。 学校の中は厳然たる身分制度社…

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恐れるな友よ ~神林長平「アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風」

「すべては変わりゆく  だが恐れるな、友よ  何も失われていない」       (冒頭エピグラフより) 「戦闘妖精・雪風」「グッドラック」と読んできて、雪風シリーズ三作目の「アンブロークン アロー」をようやく読み終えました…。 おもしろすぎる。 おもしろいけど難しいから、感想はとても書けないわーと思ってたんだけど、この三作目が本当におもしろすぎたので。 難し…

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十年間の集大成 ~「M-1完全読本 2001-2010」

タイトルのとおり、2001年に幕を開け、2010年にその歴史を閉じた「M-1グランプリ」の集大成ともいうべき一冊。 めっちゃめちゃ読み応えあります。 歴代王者はもちろん、M-1に関わった様々な方々(東京無線の原田さんとか)のインタビューもあり、詳細なデータやコラムあり、写真もいっぱいありで、 その年その年に味わった興奮や感動が次々によみがえってきました。 この本を作った人…

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