ラストシーンはおあずけ ~金城一紀「映画篇」

図書館の返却期限が迫ってるので、これもさっさと更新しちゃいます。 久しぶりに金城一紀の小説を読みました。 これは、タイトルのとおり映画にまつわる話を集めた短編集。 それぞれのお話は独立しているけれど、区民会館で上映される「ローマの休日」という映画を軸に、ゆるやかにつながっている。 評判がいいだけあって、あふれる金城テイストを楽しみながら読み進めたけど、「GO」やゾ…

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寄り添う視点 ~中村航「あなたがここにいてほしい」

中村航の小説を読むのは初めてでした。 もっと早くに読めばよかった。すごく私好みの文体だった。 きまじめなんだけれども、そのきまじめさがどこかヘンテコで、「ん~?」と思いながら読んでいくうちにズルズルと捕まえられてしまった。 この人の言語感覚を、もっと味わってみたい。 素敵に楽しい文章がそこかしこに散りばめられているので、読んでいて飽きない。たとえば、 ホンモノは…

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恩田陸「朝日のようにさわやかに」を読んだ。

図書館での予約がやっと回ってきました。 恩田陸の短編集! 恩田さんはいつも長編やシリーズ物を書いてらっしゃるイメージがある。 短編は単行本にまとまるのも時間がかかるし、よけいにめずらしいなぁという感じだ。 本書には、14の短編が収録されています。 なんというか、ホラー系の話が多い。 夜に読まなくてよかったと結構本気で思う。 でもすごく面白い。ホラーは苦手だけ…

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どうかな、河崎? ~伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

読んだのは二回目。 面白かった。本当に面白かった。 何年か前に図書館で手に取ったのが、最初だった。 ヘンなタイトル、どういう意味だろう?と興味を持ったのが一つ。 あらすじ紹介に、「悪魔めいた長身の青年」とあるのを見て、ほほう、一体どんな青年じゃろかと気になったのが一つ。 という非常にしょうもない理由から読み始めたのだが、それが伊坂ワールドへとどっぷりはまっていく道の序章であ…

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日本語のうつくしさよ ~梨木香歩「家守綺譚」

私の持っているのは文庫版だが、ハードカバーの装丁のほうが好きなのでそちらを。 こういう小説を読むと、日本語って素晴らしい…とつくづく思う。 台詞一つとっても、古き良き文学のかほりが漂っていて、いちいちうっとりする。 この話の舞台は、学士・綿貫征四郎が住まっている二階屋である。 そこは元は友人・高堂の生家であり、彼の死後、家の手入れをすることを条件に綿貫が暮らしている…

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