また咲くよ ~是枝裕和「花よりもなほ」

2005年に公開された「花よりもなほ」という映画が、すごく好きなんです。派手さや話題性はあんまりないけど、 すてきな役者さんがたくさん出ていて、どこかとぼけてておかしくてあったかくて、みんなどっこい生きてて、 手のひらにのせて、にこにこと愛でたくなるような映画なんです(物理的にムリだけど)。 これはその監督の是枝さんによる小説版。 原作というわけではなく、映画の後に書かれ…

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本当の自分はいない ~吉田修一「パレード」

何だろう? 初・吉田修一でした。名前はよく聞いていたけれど、どういうものを書く作家さんなのかは知らないまま、 何となくおもしろいかなと思って何となく読んでみた。 なんか気持ち悪い、なんかひっかかる。 ヘンに後引く小説でした。 思ったのは、本当の自分なんてものはどこにもないだろうということ。 誰かといるときの私も、一人でいるときの私も、どっちも嘘じゃないし、本当…

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たそがれの国はいつかの国 ~沢村鐵「封じられた街 薄氷のディープシャドウ」

 街にあがる火の手、狙われる仲間たち。  これは「もののべさま」の呪いなのか?  凍てつく寒さの中、背中の影がすぐそこに迫る。  追いつめられた子どもたちが向かった先は……。  圧倒的なスケールで描く現代ダーク・ファンタジー、ここに完結!  (Amazon内容紹介より) 完結編もおもしろかったです…。 第一部はおふみちゃんの、第二部はハジメくんの話。 そして…

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君の思いが君を動かす ~沢村鐵「封じられた街 北風のポリフォニー」

 どこか違和感がある、居心地の悪い街。  時折現れる不気味な背中の影と、ひそかに信仰を集める「もののべ様」、次々に作られる落ち葉のオブジェ、いなくなる子どもたち……。  事件に巻き込まれた少年と少女が、真相にせまる! ボリュームたっぷりのダーク・ファンタジー。  (Amazon内容紹介より) TEENS' ENTERTAINMENTというシリーズから刊行され…

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また会おうねと彼女は言った ~成田良悟「バッカーノ! 1710 Crack Flag」

 「今のお前がどんなに壊れても、お前の素顔が暴かれて、世界を敵に回したとしても――  俺が、新しい仮面を造ってやるよ」 またまた久々のバッカーノシリーズです。 「1705」に続く1700年代のお話は、ヒューイとエルマーとモニカの3人が物語の中心。 なんだけど、1700年代はやっぱり、マイザーさんの変わりようが見どころでおもしろいです(笑) ガラや髪型が違っても、目が細い…

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