この人の世界はずっと広かった ~山川彌千枝「薔薇は生きてる」

  美しいばらさわって見る、つやつやとつめたかった。ばらは生きてる 1933年に16歳で病没した少女がのこした、日記や絵や短歌や書簡をまとめた遺稿集。 これまでに様々な出版社から何度も刊行されているようですが、この新版は中村佑介氏のイラストがかわいらしい、ポップな装丁となっています。 この表紙に惹かれて手に取ったので、中村さんの功績は大きいと思います。 作文はとも…

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ふがふが笑い誘発 ~三浦しをん「ビロウな話で恐縮です日記」

ひとさまの日記を読むのはかくも面白きことなのか。 「ビロウな話で恐縮です日記」は、しをんさんが同タイトルの個人ブログで公開されていた日記を本にまとめたもの。 ブログのほうも見てました。 「何のお金にもならないのに(結果的には出版されたのでお金になってるけど)、こんなに面白い文章を無料で読ませてくれるとは、なんて奇特なお方なのだ」と有難がりながら毎度読んでいました。 本の刊…

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世界はそんなにヤワじゃない ~成田良悟「バッカーノ!1931 臨時急行編 Another Junk Railroad」

とうとうここまで来ました14冊目☆ 今現在出ているバッカーノシリーズでは、これが最新作ですね。長かったー! そしてこの旅はこれからも続くのだ! それにしてもこのお方は…成田さんは、順序だてて物ごとを語るということをなさらないんですよね本当に… ご本人の頭の中には、最初から最後までの話の流れが全部入ってるんだろうけど、それを小出しに公開されるもんだから「成田さん、ちょっと頭の中覗…

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コピーキャットの帰還 ~成田良悟「バッカーノ!2002【A side】 Bullet Garden」「バッカーノ!2002【B side】 Blood Sabbath」

なんかすごいことになってる… 豪華列車の事件から70年。今度の舞台は豪華客船! 双子の豪華客船「エントランス」「イグジット」に、それぞれ乗り込んだ不死者たちとその他あやしい人たち。 腕きき雇われガンマン、傭兵集団『仮面職人』、狂信宗教団体『SAMPLE』、そしてコピーキャット(模倣犯)を名乗る人物の思惑が入り乱れ、双つの船はついに海上で重なり合う。 最後に笑うのは誰か、そもそ…

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来客を告げるベルが ~恩田陸「訪問者」

『もうすぐ訪問者がやって来る。訪問者に気を付けろ』 待ってました。これを読みたかったの。恩田作品久々のヒットでした。 「木曜組曲」ファンとしてはうれしい、密室での会話を中心とした推理劇。 といっても、「木曜組曲」にあったような本筋に関係のない世間話というのはほとんど出てこないため、展開は非常にスピーディです。それが物足りなくもあるけど、飾り気がないのもまた魅力。 山奥…

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