味わおう扉ワールド ~小田扉「マル被警察24時+」



実業之日本社から出ていた「マル被警察24時」が、未収録作品をあらたに加えて新装版で登場!
やったね。買いしぶっていてよかった(笑)


あーいい。小田扉すごくいい! なんでこんなにいいんだろ!
この良さについてうまく語れないのがもどかしいぜ。おもしろい。おもしろい。味わい深い。味わい深い。(大事なことだから2回ずつ言いました)
「デカなのか。バカなのか。」という帯のコピーが秀逸!


ベテラン刑事の赤山さんは、刑事ドラマをお手本に刑事をやることを信条としているけれど、特に「ヤマさん」などと呼ばれてはいない。
しかし、胸に銃弾の風穴が開いても死なないところはさすがです。
新人刑事の黒川くんは、生真面目な好青年だけれど真面目すぎて餓死寸前になったことがある。
しかし、張り込み現場の差し入れにDSを持っていくところはさすがです。
天然女刑事の藤さんは、子どもの頃スパイに憧れつつ国家の犬になったけど、本当の目的はある男を探し出すこと。
しかし、職場で(マニキュアならまだしも)ペディキュアを塗れる神経を持っているところはさすがです。
警察犬のホルモンは、年中鼻がつまっていて、人間たちと意思疎通できているようでぜんぜんできていない。
しかし、異様に長い尻尾を武器として活用しているところはさすがです。ていうか尻尾なげえ!


このように、ギャグにしかならないような登場人物勢ですが、中盤以降まさかのシリアス展開に。こういうのもいいなあ。
マカナイ、過原、藤、そしてホルモンの思惑が交錯するクライマックスはなかなか手に汗握らされた。
事件の終わりがむなしさを残しつつも、そこから何かが残り何かが変わっていくあたりが、ハートフル&ハードボイルドでした。


ホルモンがすごい好き! かっこいいよ! 好き!
人と犬の意思疎通度って、実際こんなもんだと思うなー。
家を訪れる人になぞなぞばかり出題する、赤山の元相棒の間田さんもお気に入りです。
なんか、かわいい。おっさんなのに。
「人が人を無条件に信用することってそれまでないと思ってたよ。赤山を頼む。」
間田さんの思い出話、ちょろっと泣けました。赤山さん、ええお人や。


同時収録短編のなかでは、「高速扉道路」が好きです。
しかし、タイトルの意味がわからん(笑)


地面から常に1.5センチくらい浮いてるみたいな非日常的ヘンテコな世界に、日常を感じるのも不思議な話です。
伏線が回収されなくても、ハッピーなエンドが訪れなくても、どんなにとっちらかってようが、世の中は案外まわっていくんだぜ、というひとつの答えを、この漫画から得ているのかもしれない。



「団地ともお」は続きものだから…と手を出せないでいる方は、まず1巻完結のこちらから試されてはいかがでしょうか。
読み応えもあってオススメです。
ちなみに「団地ともお」13巻の感想はこちら

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