あの楓のように ~オノ・ナツメ「さらい屋五葉」第七集

さらい屋五葉(7).jpg


 「…関わりはないが、
 某は無粋ゆえ。」



旗本の跡取り息子だった「誠之進」が「霧中の誠」と呼ばれ、そして「弥一」と名乗るようになるまでのことがようやく詳らかになる七集。
イチさんが何を思って「弥一」と名乗るようになったか、に思いを馳せると、最後の涙がよりいっそう哀しく。
かつての白楽一味のなかで、そこだけ明かりの灯ったようだった紋次の純粋さもまた、哀しくて哀しくて仕方がない。
イチさんは、五葉はこの先どうなってしまうのだろう。



そして、政がすっかり立派になっている件について!
1巻のあたりのオドオド加減がが嘘のようです。いやあ格好良い。
弟・文之助への対応にも、威厳が見えました。
以前の感想で、文之助について「そのすまし顔、もっと崩れてほしい」と書いてましたが、その通りになってきてちょっとうれしい(笑)
文之助は政からすごく影響を受けているという意味で、ブラコンなんだろうなあと思います。たぶんかけられた言葉はほしい言葉ではなかったんだろうな。



しかし、それにしてもオノさんの美的センスはすごいですね。
漫画としてストーリーを追っているときはそこまで思わないんだけど、一枚の「画」として眺めなおしてみると、その美しさに息をのんでしまう。
1ページ1ページが、もれなく美しい。パラパラと紙面を眺めているだけで楽しい、うっとり。コマ割りっていうかデザイン。
小村雪岱っていう、泉鏡花の小説などの装幀を手がけた画家の人がいましたが(最近の美術雑誌に載っていたので知った)、オノさんも同じように、装幀のお仕事をなされたらすごくハマるんじゃないかと勝手に思っています。



第四十五話で、紋次の「うるせえ!」という台詞のフキダシが、半月の形をしているところが好き。とても好き。
あと、猫がかわいい。目がはなれてる、かわいい。



アニメでも是非、そういう絵的な部分に力を入れて作ってほしいですねー。
また観る観る詐欺(観る観ると言いつつ、結局観ないで終わるの意)になっちゃうかもしれないけど、楽しみに待ってます!



六集の感想はこちら

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